田小屋野貝塚

田小屋野貝塚は、青森県つがる市木造に位置する、縄文時代前期から中期の貝塚遺跡です。1944年（昭和19年）6月26日に国の史跡として指定され、その指定面積は約1万4千平方メートルに及びます。さらに2021年（令和3年）には、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つとしてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

概要

遺跡は、青森県西部、津軽半島の岩木川左岸に位置し、標高10メートルから15メートル程度の丘陵の東南端にあります。この貝塚は、縄文時代の人々の生活や文化を理解するための重要な手がかりを提供しています。

1928年（昭和3年）には、中谷治宇二郎と今井冨士雄によって初めて発掘調査が行われました。その後、1990年（平成2年）と1993年（平成5年）には、県立郷土館が発掘調査を実施し、1棟の竪穴建物跡が検出されました。この発見は、当時の人々の住居構造を知る上で貴重な情報源となっています。

日本海側に位置する貝塚は数が限られており、田小屋野貝塚はその中でも特に重要な存在です。遺跡からは、縄文時代前期から中期の円筒土器や、それに続く様々な土器、石器、石製品、土製品、骨角器、貝輪などが出土しています。これらの出土品は、当時の人々の技術や文化、生活様式を反映しています。

出土した貝類は、ヤマトシジミやイシガイなどが中心です。また、魚類、鳥類、哺乳類などの骨も発見されており、当時の食生活を知る上で重要な資料となっています。特にベンケイガイの出土数が多く、その数は60点ほどに上ります。一説によれば、この地で作られたベンケイガイの貝輪は、遠く北海道まで持ち込まれたとも言われています。

場所

所在地：つがる市木造館岡田小屋野

アクセス：JR五能線五所川原駅から弘南バス「田小屋野」下車後、徒歩約5分。

まとめ

田小屋野貝塚は、縄文時代の文化や生活を知る上で非常に重要な遺跡です。国の史跡であり、世界文化遺産にも登録されたこの場所は、歴史に興味のある方にとって必見のスポットと言えるでしょう。出土品や遺跡の構造から、当時の人々の暮らしを垣間見ることができます。

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