田崎慎治

田崎 慎治の生涯と業績

田崎慎治（たざき しんじ、1872年5月6日 - 1954年4月3日）は、日本の商学者として広く知られています。彼は特に海運論と海上保険論の分野で著名であり、神戸大学名誉教授として教育界に多大な影響を与えました。さらに、神戸商業大学の初代学長として、その発展にも尽力しました。

若き日と教育背景

田崎は長崎県西彼杵郡三重村（現長崎市三重）に生まれ、田崎慶治の三男として育ちました。幼少期から優れた才能を発揮し、長崎商業学校を卒業後、1901年には東京高等商業学校（現一橋大学）で専攻部保険科を修了しました。この頃、彼は村瀬春雄の最初の門下生として保険学の道を歩み始めました。

教職経歴のスタート

1901年、東京高等商業学校の講師として勤務を開始し、1902年には文部省の外国留学生としてイギリスのバーミンガム大学に留学しました。ここで保険学を学び、1906年には商学士の学位を取得しましたが、その後長崎高等商業学校（現長崎大学）教授に就任することとなります。しかし、同校の校長との対立があったことで、1908年には神戸高等商業学校（現神戸大学）へと移りました。

神戸大学での活躍

神戸高等商業学校において、田崎は教育や研究活動に力を注ぎ、1925年からは同校の第2代校長を勤めました。1929年には神戸商業大学に昇格した際の初代学長に就任し、大学の基盤整備や六甲台への移転にかかわりました。彼の教育方針とビジョンは、多くの学生に影響を与え、優れた人材を輩出しました。

戦後の取り組み

1944年、田崎は閉校の危機にあったパルモア学院の学院長に就任し、戦後の授業再開に向けた大きな責任を担いました。その結果、学院の再興を果たし、多くの学生が学び直す機会を得ることとなりました。彼の教育者としてのひたむきな姿勢は、多くの教え子たちに感銘を与えました。

社会貢献と人脈

田崎はまた、ブラジル移民政策の推進にも寄与し、多くの若者に新たな道を示しました。彼の教育に影響を受けた著名な教え子には上塚司、辻小太郎、宮坂国人、粟津金六、九十九利雄などがいます。また、加藤由作（一橋大学名誉教授）や福田敬太郎（第3代神戸大学学長）など、彼の門下からも優れた人材が輩出されています。

私生活と親族

田崎の私生活では、岳父室原重福（衆議院議員）とのつながりもあり、兄の田崎周三郎は長崎県農工銀行の常務取締役として活躍しました。また、弟の田崎武男は実業家として成功を収めています。

結論

田崎慎治は、日本の商学教育の礎を築いた偉大な人物であり、彼の業績は今日でも多くの人々に影響を与え続けています。その教育に対する情熱や社会貢献は、後世にわたり語り継がれることでしょう。

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