田嶋神社

田嶋神社の紹介

佐賀県伊万里市波多津町に位置する田嶋神社は、現存する神社本殿として九州最古とされており、その建造は15世紀にさかのぼると言われています。この社は、地域の守り神としての役割を果たしており、近くにある唐津市呼子町加部島の田島神社から分霊されたと考えられています。

神社の本殿

本殿はシンプルな構造ながらも、かつては鮮やかな朱色で塗装されていたことが推測されており、現在は保護のための覆屋が設けられています。訪問者はこの覆屋の格子越しに本殿を見学することができます。現在、本殿は国の重要文化財に指定されており、その存在は地域の歴史と文化の象徴となっています。

祭神と社殿の詳細

田嶋神社の主祭神は宗像三女神であり、その中には田心姫神、湍津姫神、市杵島姫神が含まれています。その他に、数々の神々が祀られており、合計で八柱の神々が信仰されています。

社殿自体は、三間社流見世棚造という特殊な建築様式で造られており、屋根は切妻桟瓦葺きとなっています。身舎の構造は特に興味深く、床下部分には八角形が用いられており、床上は主となる中柱を除いて十六角形になっています。柱は自然石の礎石に支えられ、様々な木材で構成されています。これらの構造から、社殿は時代を超えた価値を持つ建物といえます。

歴史的背景

田嶋神社は、唐津市の田島神社の末社とされ、創建の年代は諸説ありながら、古くは天平年間（730年頃）にさかのぼるとされています。また、波多津の田嶋神社自身は、建武元年（1336年）に社殿の再建が行われたと記録されています。室町時代後期には地元の領主である波多氏の祈願所として信仰の中心となりました。

神事・祭事の情報

田嶋神社では、一年を通じて複数の祭事が行われています。

• - 1月1日: 正月祭り、宮司による執り行い
• - 3月17日: 記念祭、同様に宮司が執行
• - 7月14日、15日: 祇園祭とその前夜祭
• - 10月16日、17日: 田島祭
• - 12月30日: 大抜祭、年越しの行事

これらの祭事は、地域の信仰や伝統を色濃く残すものです。

文化財としての意義

田嶋神社本殿は、昭和62年に国指定の重要文化財に登録されたことから、その建築的な魅力や歴史的重要性が広く認識されています。この社殿は、現存する建物としては九州一古いものであり、当時の文化や宗教観を知る上で重要な資源となっています。

アクセス情報

田嶋神社には交通の便も整っており、最寄りのJR伊万里駅から車で約35分ほどの距離にあります。訪れる際は、是非その歴史的な価値を実際に感じ取っていただきたいと思います。

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