田所町 (足利市)

田所町（たどころちょう）

田所町は、栃木県足利市のほぼ中央に位置し、市役所の本庁地区に含まれる地域です。地理的には、足利市街地の北方にあたります。

この町域は、大正時代に区画整理事業が進められた経緯を持ちます。地形的な特徴としては、町域の北部エリアには住宅地が広がる一方、多様な工場や事業所、事務所などが集積するゾーンを形成しています。対照的に、南部エリアの大部分は、足利市総合運動場の広大な敷地によって占められています。町域の境界は、西側で西砂原後町および本城一丁目と、北側で江川町一丁目と、東側で東砂原後町と、そして南側では元学町および有楽町とそれぞれ接しています。

歴史を振り返ると、田所町は1926年（大正15年）に新たな町として誕生しました。この時の町域は、それまでの足利の地に存在した字名、具体的には水深、元学、六地蔵、肘曲、東砂原後の各一部を再編成することによって成立しました。

交通アクセスについては、町域内を通過する鉄道はなく、最寄りの駅は町域外となります。また、主要な国道や県道といった幹線道路も直接的には町域を通りませんが、近隣には重要な道路網が存在します。例えば、町域の南方には国道293号線が、西方には栃木県道40号足利環状線が通じており、これらの道路を利用して田所町へのアクセスが可能です。

路線バスは、市民の重要な移動手段の一つとして利用されています。田所町南部にある「総合運動公園南」交差点付近の市道上には、「武道館前」バス停留所が設置されており、足利市が運行する生活路線バスが停車します。この停留所を経由する系統は複数あり、主なものとしては中央循環線の71系統と72系統があり、これらはJR足利駅方面へと向かいます。また、名草線の80系統も停車し、下り方面は入名草行き、上り方面は東武足利市駅やアピタ、足利赤十字病院といった市の中心部や主要施設方面へと運行されています。

町内に所在する主要な施設としては、広大な敷地を擁する足利市総合運動場が挙げられます。この運動場内には、公式な競技会も開催可能な足利市総合運動場陸上競技場や、本格的な試合に対応できる足利市総合運動場硬式野球場といったスポーツ施設が集約されています。さらに、夏期に利用される足利市総合運動場プールや、屋内でスポーツ活動が行える足利市勤労者体育センター、研修や会議などに利用される足利市研修センターなども、すべてこの運動場敷地内に配置されており、市民の健康増進や生涯学習、交流の拠点としての役割を担っています。

田所町は、大正期の区画整理を経て形成された、足利市における住宅、産業、そして市民のスポーツ・研修活動の中心地としての顔を持つ地域と言えます。

参考文献として、『角川日本地名大辞典 9 栃木県』（角川書店、1984年）が挙げられます。

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