田村恵 (野球)

田村 恵（たむら けい）

1976年5月22日生まれ。福岡県田川郡糸田町出身の元プロ野球選手（捕手）であり、現在は広島東洋カープのスカウトを務める人物。高校時代には甲子園でその名を広く知られ、「古田2世」とも称される活躍を見せた。

経歴

1992年、鹿児島商工高等学校（現：樟南高等学校）に入学。1年生で夏の甲子園に控え捕手としてベンチ入りする。秋からは同期の福岡真一郎投手とバッテリーを組み、1993年には春夏連続で甲子園に出場した。

1994年、学校名が樟南高等学校に変更された年、田村はチームの主将として夏の甲子園で準優勝を果たした。当初は大学進学を予定していたが、同年のNPBドラフト会議で、広島東洋カープから6位指名を受け、プロ入りを決意する。契約金3000万円、年俸400万円で入団した。

プロ入り後は、二軍（ウエスタン・リーグ）で経験を積み、捕手登録ながら外野や内野を守る機会も経験した。一軍初出場は1998年。その後、2000年までの3シーズンで通算62試合に出場したが、レギュラー定着は叶わず、2002年に戦力外となり、現役を引退した。

引退後の活動

現役引退後、田村は広島東洋カープの球団職員となった。スコアラーとしての経験を積んだ後、2004年からは担当スカウトとして、主に九州地区において将来のカープを担う若手選手の獲得に貢献している。

スカウト活動においては、選手の現在の実力だけでなく、将来的な伸びしろを特に重視する。「選手が24、25歳になった時の成長曲線を描く」という独自の視点で、選手の育成ポテンシャルを見抜くことに長けている。

田村が担当した選手には、チームの中心選手として活躍する人物が多数いる。代表的な例として、大瀬良大地、安部友裕、松山竜平、今村猛、中﨑翔太、戸田隆矢などが挙げられる。特に2013年のドラフト会議では、担当スカウトとして初めて抽選に臨み、注目の大瀬良大地の交渉権を獲得し、大きな話題となった。

人物像

高校時代の田村は、相棒の福岡真一郎と共にアイドル的な人気を集めた。「黒縁眼鏡の捕手」としても注目を浴び、その強肩も高く評価され、当時ヤクルトスワローズで活躍していた古田敦也捕手になぞらえ、「古田2世」と評されることもあった。また、同期には後にプロで大活躍する城島健司がいたが、高校日本代表では正捕手を任され、小野仁ら実力派投手とバッテリーを組んだ経験を持つ。

記録

プロ野球における初記録
初出場：1998年7月30日、対阪神タイガース16回戦（阪神甲子園球場）、7回裏に捕手として出場
初先発出場：1998年8月8日、対横浜ベイスターズ21回戦（広島市民球場）、8番・捕手として先発出場
初安打：1998年8月8日、対横浜ベイスターズ21回戦（広島市民球場）、5回裏に川村丈夫投手から中前安打
初打点：1999年10月6日、対横浜ベイスターズ27回戦（広島市民球場）、8回裏に阿波野秀幸投手から中前適時打
初盗塁：2000年6月11日、対中日ドラゴンズ13回戦（ナゴヤドーム）、9回表に二盗（投手：エディ・ギャラード、捕手：中村武志）

背番号
60 （1995年 - 2002年）

田村恵は、選手としてプロの舞台を経験し、現在はその豊富な経験と独自の視点を活かして、未来のプロ野球選手を発掘するスカウトとして、広島東洋カープに貢献し続けている。

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