田村神社 (郡山市)

田村神社

田村神社は、福島県郡山市田村町に鎮座する神社です。その起源は、平安時代の武将、坂上田村麻呂が東夷征伐の際に建立したとされる鎮守山泰平寺に遡ります。

歴史

創建当初、泰平寺の本尊として大元帥明王像が安置されました。この像を祀ったことが、田村神社の始まりとされています。現存する厨子は安土桃山時代、本殿は江戸時代初期に建てられたものです。

江戸時代の元禄2年（1689年）には、俳聖・松尾芭蕉とその弟子である曾良が田村神社を訪れました。その時の様子は、曾良の日記に詳細に記録されています。また、天保7年（1836年）には、儒学者である安積艮斎も訪れています。

明治時代の神仏分離令により、泰平寺は田村神社と改称されました。この際、仏具は近隣の円通寺に移されましたが、後に田村神社が返還を要求。裁判の結果、仏具は田村神社に返還されることになり、祭事は円通寺が行うという条件で和解が成立し、現在に至っています。

文化財

田村神社は、数多くの貴重な文化財を所有しています。

建造物

厨子（県指定重要文化財）
本殿（市指定重要文化財）
脇社神明社本殿（市指定重要文化財）
脇社春日社本殿（市指定重要文化財）

その他

絵馬　佃島南望之図（県指定重要文化財）
絵馬　三国志三傑図（県指定重要文化財）
絵馬　大江山図（県指定重要文化財）
蒔絵　神馬図額（県指定重要文化財）
絵馬　繫馬図（県指定重要文化財）
算額（市指定重要文化財）
絵馬　鎮西八郎為朝図（市指定重要文化財）
延宝八年検地燈籠（市指定重要文化財）

これらの文化財は、田村神社の歴史と文化を物語る貴重なものです。

祭礼

山中祭り

かつては旧暦6月13日、14日に行われていましたが、現在は7月の第3土曜日、日曜日に開催されます。神社の周辺には露店が立ち並び、山中太鼓や豊年踊りなどの伝統芸能が披露されます。また、餅などが参拝者に振る舞われるほか、廃仏毀釈以前の泰平寺の秘仏であった聖観世音菩薩像や大元帥明王像が開帳されることもあります。

紅葉ライトアップ

11月の紅葉シーズンには、表参道や東参道で紅葉のライトアップが行われます。氏子や信徒会、田村町観光協会などが協力し、幻想的な風景を作り出します。

その他

1月13日や旧暦6月13日には、大元帥明王や聖観音菩薩像の御開帳があります。また、旧暦11月3日には例大祭が執り行われます。

交通

鉄道：JR東日本水郡線磐城守山駅から徒歩約20分
バス：JR東北新幹線郡山駅西口から東山霊園行、蓬田行、馬場行に乗車、「山中」下車
車：国道49号を郡山市からいわき市方面へ進み、田村神社入口交差点

参道の石段は急なため、注意が必要です。また、文化財の見学には事前の申し込みが必要な場合があります。

関連情報

郡山市観光協会　田村神社

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