田村竜騎兵

田村竜騎兵

田村竜騎兵（たむら りゅうきへい、1931年6月20日 - 1990年2月14日）は、昭和後期から平成初期にかけて活躍した日本のジャーナリスト、囲碁ライターです。朝日新聞社の記者として、また観戦記者として多くの足跡を残しました。本名は田村孝雄。

生涯

群馬県大間々町（現・みどり市）に生まれた田村竜騎兵は、群馬県立桐生高等学校を卒業後、群馬大学医学部へ進学しますが中退。その後、早稲田大学へ転じ、商学部を卒業しました。早稲田大学在学中は囲碁部に所属し、村上文祥と同期生として切磋琢磨しました。

1955年、田村は日本棋院の『棋道』誌編集部に入り、編集長であった宇崎玄々子に師事します。『棋道』での記事執筆のほか、東京新聞、産経新聞では牧伸太郎の筆名で観戦記を担当しました。

1960年、宇崎玄々子の引退後、朝日新聞の観戦記者となり、囲碁・将棋の両分野で観戦記を執筆しました。将棋の観戦記は「龍」名義で執筆していました。名人戦 (将棋)、朝日アマ囲碁十傑戦、プロ十傑戦、囲碁名人戦など、数々の著名な棋戦で観戦記を担当しました。

また、田村は囲碁プロ棋士の著書のライターとしても活躍し、多くの棋士の書籍を手がけました。特に、将棋棋士である升田幸三の自伝の執筆を担当したことは、彼のライターとしての才能を示す顕著な例と言えるでしょう。

1990年2月14日、田村竜騎兵は脳出血のため、58歳という若さでこの世を去りました。

著作

単著

碁界うらおもて (ルック社, 1967)
この妙手 (ルック社, 1968)
碁の打ち方教えます (有紀書房, 1968, ABC books)
やさしい定石教えます (有紀書房, 1970, ABC books)
物語り囲碁史 (日本棋院, 1972, ゴ・スーパーブックス) - 2005年に『物語り 囲碁英傑伝』として毎日コミュニケーションズより再刊
現代アマ強豪列伝 (日本棋院, 1981, 日本棋院選書)
現代囲碁大系41 武宮正樹 (講談社, 1983)
武宮正樹 (現代囲碁名勝負シリーズ 1) (講談社, 1986)
竜騎兵 名勝負 名観戦記 (誠文堂新光社, 1991)
囲碁名勝負100番 (立風書房, 1993) - 47番目までを田村が執筆し、残りは大島正雄が完成

編著

中原誠実戦集 全3巻 (大泉書店, 1974)
林海峯打碁集 全3巻 (大泉書店, 1974)
加藤一二三実戦集 (大泉書店, 1975)
石田芳夫打碁集 全3巻 (大泉書店, 1975)
基本定石事典 (日本棋院, 1975-1976)
朝日アマ・プロ十傑戦 上下 (大泉書店, 1976)
日本囲碁大系15 秀策 (筑摩書房, 1976)
朝日アマ十傑戦 : 熱闘譜 (大泉書店, 1977)
基本の布石理論 (大泉書店, 1977, 初段への基礎づくりシリーズ)
基本の置碁作戦 (大泉書店, 1977, 初段への基礎づくりシリーズ)
基本の定石 (大泉書店, 1977, 初段への基礎づくりシリーズ)
碁きちにささげる本 : これを知るだけで確実に二目強くなる (青春出版社, 1977, プレイブックス) - 2005年に『すべての囲碁ファンに捧げる本』として毎日コミュニケーションズより再刊
基本の死活 (大泉書店, 1978, 初段への基礎づくりシリーズ)
碁きちにささげる本 続 (青春出版社, 1978, プレイブックス) - 2005年に『すべての囲碁ファンに捧げる本 続』として毎日コミュニケーションズより再刊
基本のヨセ (大泉書店, 1979, 初段への基礎づくりシリーズ)
名人に香車を引いた男 : 升田幸三自伝 (朝日新聞社, 1980) - のちに朝日文庫、日本図書センターより再刊
コンピュータ石田の痛快に決める手筋 (大泉書店, 1981, これが手筋だ)
コンピュータ石田の豪快にきめる手筋 (大泉書店, 1983, これが手筋だ)
現代囲碁大系 (第41巻) 武宮正樹 (講談社, 1983)
大竹英雄打碁選集 全5巻 (朝日新聞社, 1984 - 1985)
現代囲碁名勝負シリーズ (第1巻) 武宮正樹 (講談社, 1986)
正樹のあゆみ―本因坊正樹初期打碁集 (1987)

参考文献

* 竜騎兵 名勝負 名観戦記 (誠文堂新光社, 1991)

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