村上文祥

村上文祥：アマチュア囲碁界の巨星、その生涯と功績

村上文祥（むらかみ ぶんしょう、1932年10月29日 - 1999年4月17日）は、広島県出身の囲碁棋士。アマチュアとして傑出した実績を残し、その名は広く知られています。アマチュア本因坊戦での5度の優勝、朝日アマ囲碁十傑戦での6度の優勝は、彼の卓越した実力を物語っています。また、アマチュア囲碁界の「四強」の一人として、その名を刻みました。世界アマチュア[[囲碁選手権戦]]においても、第1回で4位、第3回で3位入賞を果たすなど、国際舞台でも活躍しました。その碁風は、強烈な攻めを特徴としていました。

生涯

村上文祥は、現在の尾道市因島で生を受けました。幼少の頃、入院中の父親に碁を教えたことが、囲碁との出会いでした。中学生時代には、プロ棋士である関山利一九段の研究会に参加し、腕を磨きました。また、向井一男七段、半田道玄四段からも指導を受け、若くしてその才能を開花させました。早稲田大学に進学すると、その実力から「西の怪物」と称されました。

大学卒業後の1955年、荏原製作所に入社。会社員として働く傍ら、アマチュア棋士として活動を続けました。1960年には、アマチュア本因坊戦で初優勝を果たします。翌年には、高川秀格本因坊との記念対局が実現し、これはテレビで初めて放送された囲碁対局として、大きな話題となりました。その後も、数々の棋戦で優勝を重ね、アマチュア囲碁界における確固たる地位を築き上げました。

1963年からは、日中囲碁交流にも積極的に参加し、国際交流に貢献しました。1976年には、長年の功績が認められ、安永一と共にアマチュアとして初の七段位を日本棋院から贈られました。

実業家としても手腕を発揮し、1994年には荏原製作所の取締役副社長に就任。1996年には、荏原総合研究所の社長に就任しました。

1999年4月17日、肝硬変のため逝去。その功績を讃え、日本棋院から追悼八段が贈られました。

棋風

村上文祥の碁は、その攻撃的なスタイルが特徴です。相手の弱点を見抜き、そこから一気に攻め立てる、迫力のある碁を打ちました。その棋風は、多くのファンを魅了しました。

囲碁普及への貢献

村上文祥は、囲碁の普及にも尽力しました。「棋道」誌主催の「荏原製作所・暁星グループ杯世界頂上対決三番勝負」の実現に貢献した他、出身地である因島での本因坊戦、棋聖戦の開催に尽力するなど、地域における囲碁の振興にも貢献しました。その功績を称え、死後、因島市から初の特別功労賞が贈られました。

主な棋歴

世界アマチュア[[囲碁選手権戦]]
3位（1981年）
4位（1979年）
全日本アマチュア[[本因坊戦]]
優勝（1960年、1967年、1976年、1978年、1981年）
朝日アマ囲碁十傑戦
優勝（1963年、1966年、1969年、1971年、1974年、1984年）

プロとの対戦

村上文祥は、数々のプロ棋士とも対戦し、その実力を示しました。

プロアマ本因坊対抗戦
1967年 ○ 坂田栄男
1976年 × 武宮正樹
1978年 × 加藤正夫
1981年 × 趙治勲
アマプロ十傑対抗戦
1969年 ○ 坂田栄男
1970年 × 加藤正夫
1971年 △ 石田芳夫
1972年 × 坂田栄男
1973年 ○ 橋本宇太郎
1974年 × 林海峰
1976年 ○ 石田芳夫
1979年 ○ 星川信明
1980年 × 長谷川直
* 1981年 ○ 彦坂直人

まとめ

村上文祥は、アマチュア囲碁界において、傑出した実績を残しただけでなく、囲碁の普及にも貢献した偉大な人物です。彼の功績は、これからも永く語り継がれていくことでしょう。

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