田植機

田植機についての詳細

田植機（たうえき）は、主に稲作を行う農業の現場で使用される機械で、イネの苗を水田に効率的に移植するために設計されています。特に東アジアや東南アジアの国々で広く活用されています。田植機は、その構造により「歩行型」と「乗用型」に大別され、最も大きなモデルでは一度に最大10列の苗を植えることが可能です。

現在の田植機の主流

日本で普及している田植機は、植え付け爪を用いる方式で、苗を挟んで持ち上げて土に植え付ける仕組みです。これにより、エンジンと車輪を備えた田植機は移動と同時に後部の植え付けアームが作業を行い、植物を丁寧に植えることができます。このタイプの田植機には、通常30cm（北海道では33cm）の間隔で複数の植え付け爪が配置されており、1回の作業で複数の列にわたって苗を植え付けることが可能です。また、最近多くの田植機には肥料を同時に播く「側条施肥」機能も搭載されています。

マット苗とポット苗の違い

田植機が使う苗は大きく分けて「マット苗」と「ポット苗」に分類されます。マット苗は、育苗箱に土を盛り、そこに種を播く方法で成長させた苗を意味します。最近では、省力化を考慮し、カイワレダイコン状のマットを利用した育苗が増えています。この方法では育苗箱から綺麗に取り出して植え付けることが可能で、作業の効率化を図っています。

一方、ポット苗は448穴のプラスチック製育苗箱を使用し、各穴に種子を播く方式です。この方式は苗を簡単に取り出せるため、特に有機稲作を行う農家の間で好まれています。ポット苗を使うことで、根を切らずに植え付けることができるため、より良い活着が期待でき、収量も向上しています。

開発の歴史

田植機の開発は日本の明治時代にさかのぼります。1899年には、宮崎県の河野平五郎が田植機の特許を取得し、以降日本各地で研究が進められました。1960年代に来てようやく人力タイプが実用化され、1964年に発表された国産第一号機は12列の株を同時に植え付ける機能を持っていました。また、1967年には動力式田植機が開発され、田植作業の効率が著しく向上しました。

1970年代以降は、田植機の技術革新が加速し、1980年代後半にはロータリー式の植付け方式が導入されました。この新技術により、作業のスピードが大幅に向上し、農家の多くが田植機を使用するようになりました。1990年代には、赤外線やレーザーを利用した無人機の開発が進展し、2007年には自動植付け機能が搭載された初の田植機が市場に登場しました。

まとめ

田植機は日本の稲作において不可欠な機械となっています。技術革新が進む中で、労働負担を軽減し、効率的な農業を実現するために欠かせない存在になっています。今後も新たな技術の導入により、更なる進化が期待されている農業機械の一つです。

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