田沢芳夫

田沢芳夫について

田沢芳夫（たざわ よしお、1936年8月28日 - 2008年1月25日）は、山形県で生まれたプロ野球界の名投手です。彼の野球人生は若い頃から始まり、特に鶴岡工業高校での活躍が際立っています。この高校ではエースピッチャーとして注目されており、1954年の夏の甲子園予選では東北大会の決勝に進出しましたが、残念ながら福島商業高校に敗れ甲子園出場は果たせませんでした。

高中を卒業後、田沢は1955年に南海ホークスに入団します。彼がチームに入ると、すぐに注目の選手となり、同年の同期入団には広瀬叔功や、一期上には野村克也、皆川睦雄がいました。特に1956年にはチーム最多となる15勝を記録し、その名を一気に広めました。翌1957年にも10勝を挙げ、チームの先発ローテーションの一員として確固たる地位を築いていきました。

1957年6月24日、田沢は対阪急ブレーブス戦において、試合を無安打無得点で進めていました。9回の時点で残り2死、ノーヒットノーランが目前に迫ったところで、滝田政治選手に初安打を許し、無安打の記録は達成できませんでした。この試合は彼にとって特別なものであり、パ・リーグ史上ノーヒットノーラン達成の直前まで追い詰められた選手の一人として記憶に残りました。

しかし1959年には成績が低迷し、わずか2勝に終わりました。それにもかかわらず、同年の日本シリーズでは読売ジャイアンツとの第2戦に先発し、期待されたもののすぐに打ち込まれ、2回で降板しています。1961年には復活を遂げ、8勝を上げたものの、肩を壊し辛い時期を迎えました。結局、1963年には肩の故障が響き、僅かな登板機会の後、27歳で現役を引退しました。

田沢のピッチングスタイルは、直球とシュートが主な武器でした。引退後、彼はプロ野球界から離れ、鶴岡一人監督の仲介で早川電機工業（現在のシャープ）に就職しました。定年を迎えた後は、少年野球チーム「八尾フレンド」のヘッドコーチを務め、次世代の選手たちの育成に尽力しました。

田沢芳夫は、2008年1月25日に大阪府藤井寺市の自宅で急性心筋梗塞により亡くなりました。享年71歳。彼の野球による貢献と情熱は、今も多くの選手やファンの心に残っています。彼の躍動感あふれるプレーは、当時の多くの若者に夢と希望を与えたことでしょう。彼の人生と成績は、今でも山形県出身の選手たちにとっての模範となるに違いありません。

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