田渕ひさ子

田渕ひさ子：多才なギタリストの軌跡

田渕ひさ子（たぶち ひさこ）は、1975年12月9日生まれの日本のミュージシャンであり、特にギタリストとして知られています。福岡県福岡市出身で、愛称は「チャコ」。彼女の音楽活動は多岐にわたり、ロックバンドを中心に様々なジャンルで活躍しています。

生い立ちと音楽への目覚め

田渕は、中学1年生の時に兄のガットギターを手にしたことがきっかけで音楽に興味を持ち始めました。高校時代にはガールズバンドでギターを弾き続け、コズミック・チェリーというバンドでTEEN'S MUSIC FESTIVALに出場。そこで、後にナンバーガールで共に活動する中尾憲太郎や、椎名林檎と出会いました。高校卒業後は縫製工場で働いていましたが、ナンバーガールの結成を機に本格的な音楽活動を開始します。彼女の音楽的なルーツには、dipのヤマジカズヒデや、すかんちのROLLYなどのギタリストの影響があると言われています。

ナンバーガールでの活躍

1995年、田渕はロックバンド・ナンバーガールにギタリストとして加入。その独特なギタープレイは、バンドのサウンドを特徴づける重要な要素となりました。ナンバーガールは、日本のロックシーンにおいて独自の地位を確立し、多くのファンを魅了しました。田渕のギターは、激しくも繊細で、楽曲に深みを与えました。

解散後の活動

2002年のナンバーガール解散後、田渕は自身の音楽活動をさらに広げていきます。同年12月には、自らがボーカルとギターを務めるバンドtoddleを結成。toddleでは作詞作曲も担当し、彼女の音楽的な才能を多方面から発揮しています。また、bloodthirsty butchersや小谷美紗子のバンド「odani misako・ta-ta」にもギタリストとして参加。さらに、LAMAや磯部正文BANDなど、様々なバンドで活動しています。2018年からは、BiSHのアユニ・Dによるソロプロジェクト「PEDRO」のサポートメンバーとしても参加し、新たな音楽ファンを獲得しています。

ソロ活動とゲスト参加

2010年には、吉祥寺の銭湯で行われたイベントで初のソロ公演を実施。アンコールでは、対バン相手の後藤まりことナンバーガールの楽曲「透明少女」をセッションしました。この経験を通じて、彼女は改めてナンバーガールの楽曲の良さを再認識したと述べています。また、クラムボンやChappieなど、他のアーティストの楽曲にもゲスト参加しており、その幅広い音楽性が評価されています。

使用楽器とプレイスタイル

田渕がメインで使用するギターは、フェンダーUSAのジャズマスターの1965年製と62年製です。特に65年製は彼女のトレードマークとも言える存在です。以前はジャガーやレスポールも使用していましたが、現在はジャズマスターを愛用しています。彼女の激しいピッキングスタイルは、ギターの塗装や木材を削ってしまうほどで、その情熱的な演奏が伺えます。アンプはマーシャル MK-II'73 100wを使用し、キャビネットにはオレンジ OR412を使っています。

ナンバーガール時代のボーカル曲

ナンバーガールのシングル「URBAN GUITAR SAYONARA」のカップリング曲「真っ昼間ガール」は、当初田渕がボーカルをとる予定で作曲されました。しかし、最終的には向井秀徳がボーカルを担当しました。その後、田渕は「I'm a lonely girl〜真っ昼間ガール」として何度かボーカルを担当し、その様子はDVDやベスト盤にも収録されています。

多様な才能と人柄

田渕は、音楽活動以外にも、雑誌連載では「ボク」という一人称を使うなど、ユニークな一面も持っています。また、お笑い番組を観賞することも好きで、親しみやすい人柄も魅力です。彼女は音楽を通じて、多くの人々に感動と刺激を与え続けています。

近年の活動

2023年5月には、椎名林檎のニューシングル「私は猫の目」でギターとして参加しており、現在も精力的に音楽活動を行っています。

参考資料

toddle
bloodthirsty butchers
* 田渕ひさ子 (@__hisako) - X（旧Twitter）

田渕ひさ子の音楽活動は、彼女の才能と情熱によって常に進化し続けています。今後の活躍にも目が離せません。

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