田畑健介

田畑健介：練馬区政に尽くした人物

田畑健介（たばた けんすけ、1921年3月16日 - 1989年7月31日）は、昭和期の地方公務員、政治家であり、東京都練馬区長を務めました。

生い立ちと初期の経歴

1921年、鹿児島県大島郡名瀬村（現在の奄美市）に生まれました。民俗学者の田畑英勝は彼の兄にあたります。旧制台北高等学校を経て、東京大学法学部政治学科を卒業しました。

東京都職員として

1950年、田畑健介は東京都職員となり、労政課長、企画調整局参事などの要職を歴任しました。その後、1969年に主税局査察室長に就任し、1971年には練馬区総務部長として区政に携わることになります。

練馬区長として

1972年、練馬区では区長準公選制の導入を巡り政治的混乱が生じ、当時の区長であった片健治の任期満了後も後任が選任されないという異常事態となりました。その結果、田畑健介が1年以上にわたり区長代理を務めることになります。

その後、社会党、公明党、共産党、民社党の4党、そして準公選制を巡って分裂していた自民党区議団の一部の支持を得て、住民投票への立候補を表明し、1973年10月2日付で東京都を退職しました。しかし、対立候補が出なかったため、準公選制の導入初回でありながら無投票となり、区議会での指名と都知事の同意を経て、10月16日付で正式に区長に選任されました。

1975年に導入された公選制選挙でも当選し、以降4期にわたり練馬区長を務めました。区長在任中は、区の施設整備に尽力し、学校、敬老館、美術館などの建設に力を入れました。1987年、健康上の理由から区長選挙には不出馬とし、政界を引退しました。

死去とその後

1989年7月31日、肝不全のため68歳で死去しました。その功績を称えられ、正五位勲三等瑞宝章が追贈されました。さらに、2008年には練馬区名誉区民に選ばれています。

田畑健介は、激動の時代に練馬区長を務め、区政の安定と発展に大きく貢献しました。彼の功績は、今日でも区民に深く記憶されています。

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