田窪行則

田窪 行則（たくぼ ゆきのり）について

田窪行則は、1950年に岡山県に生まれた日本の言語学者であり、理論言語学や日本語、琉球語に関する研究を行っています。彼は京都大学で名誉教授を歴任した実績があり、言語学の分野で高い評価を得ている人物です。

学歴と初期の経歴

田窪は中学生の頃、金田一京助の著書「北の人」を読んで感銘を受け、言語学の道を志しました。1969年に京都大学文学部に入学しましたが、この年は大学紛争が激化していたため、大学生活は決して平穏ではありませんでした。彼は西田龍雄教授の指導を受けながら言語学を専攻し、1975年に卒業しました。その後、同大学の大学院に進み、1980年には博士課程を単位取得退学しました。

教職歴

田窪は1980年から大韓民国の東国大学校慶州分校で招聘専任講師を務めました。1982年に神戸大学教養部に転任し、その後1984年には助教授に昇進しました。1991年には九州大学文学部の助教授になり、1996年には同教授に昇格しました。2000年からは再び京都大学の大学院において教授となりました。2006年には「日本語条件文とモダリティ」をテーマにした学位論文で博士（文学）の学位を取得しました。2016年には定年退任し、名誉教授の称号を得ました。また、2017年10月から2023年3月まで国立国語研究所の所長を務め、学界に貢献しました。

学会活動と受賞歴

彼は2018年から2021年まで日本言語学会の会長もつとめ、その間に言語学の発展に寄与しました。また、1991年には日本認知科学会論文賞を受賞し、業績が広く評価されています。

研究内容と専門分野

田窪の専門は文の構造について理論的に考察する統語理論であり、近年は琉球諸語を含む危機言語の調査にも力を入れています。彼の研究は、言語構造の理解を深める上で重要な貢献をしています。

主な著作

田窪は様々な著作を残しており、その中には『日本語の構造－推論と知識管理』や共著としての日本語文法関連書籍が含まれます。例えば、1987年に発表された『日本語文法セルフマスターシリーズ 格助詞』や、1992年の『改訂基礎日本語文法』などがあります。また、近年の研究成果として「データに基づく日本語のモダリティ研究」も発表しています。

参考文献と外部リンク

田窪の研究に関する詳細な情報は、彼の研究ページや公開論文を通じてアクセス可能です。例えば、田窪行則 Researchmapや田窪行則 公開論文 ResearchGateなどで彼の最新の研究成果を確認することができます。

おわりに

田窪行則氏は、言語学のさまざまな側面に対する深い洞察を持ち、教育者としても研究者としても高く評価されています。彼の学問的な足跡は、今後の言語研究においても重要な指針となるでしょう。

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