田端酒造

田端酒造株式会社の概要

田端酒造株式会社（たばたしゅぞう）は、和歌山県和歌山市に拠点を置く日本酒の製造および販売を行う酒蔵です。183年もの歴史を持つこの酒蔵は、嘉永4年（1851年）に創業されました。様々な銘柄がありますが、主に『羅生門』と『大東一』が知られています。

銘柄『羅生門』の由来

特に注目すべきは、主力商品の一つである『羅生門』です。この銘柄は、五代目社長である田端薫が戦後の復興期に黒澤明監督の名作映画『羅生門』に触発されて名づけたものです。彼の思いは、いつの日か彼らが製造する日本酒も世界に通じる品質を持つことを目指すものでした。商標登録も行われ、以来、田端酒造の代表作となっています。

地元に根ざした酒造り

田端酒造は、過去には神戸の灘五郷に酒蔵を持ち、様々な挑戦をしてきました。しかし、近年では地元和歌山にこだわった酒造りへと舵を切り、2010年には田端薫の孫娘である長谷川聡子が、杜氏の山本浩伸の監修のもと、純米吟醸酒「さとこのお酒」を発表しました。使用する原料はすべて地元のものにこだわり、和歌山産の山田錦、紀ノ川の伏流水、和歌山産の酵母を使用しています。この製品は多くのメディアに取り上げられ、発売日に完全売り切れとなりました。

現状と今後の展望

田端酒造は最近、酒販店への清酒の出荷を一時休止しています。公式ホームページも閉鎖されており、その理由としては新酒の仕込みができないこと、在庫が減少していること、そして安定した流通量の確保が難しいことが挙げられています。これまでの豊かな伝統を維持しつつ、新たな展望を模索する必要があるでしょう。

主な商品一覧

田端酒造が誇る主な商品のリストは次の通りです：

• - 純米大吟醸酒「羅生門・龍寿」
• - 大吟醸酒「羅生門・鳳寿」
• - 吟醸酒「羅生門・鳳凰」
• - 純米吟醸酒「さとこのお酒」
• - 純米酒「羅生門・純米辛口」
• - 普通酒「大東一」
• - 普通酒「つれもていこら」
• - 梅酒「羅生門・日本酒仕込みの梅酒」

中でも「羅生門 鳳凰」は、1988年に初めてモンドセレクション国際コンクールに出品し、金賞を受賞しました。そして、翌1989年には『羅生門 龍寿』が造られ、以来毎年このコンペティションに出品されています。驚くべきことに、31年にわたって金賞を受賞し続けており、特に優れた製品にはGold Medal with Palm Leaves（特別金賞）が与えられるという栄誉も持っています。

まとめ

田端酒造株式会社は、歴史と伝統を持ちながらも、地元和歌山に根ざした酒造りを行い続けています。名作映画『羅生門』に由来する銘柄や、アイデアあふれる新商品は今後の継続的な成功を予感させます。

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