田辺孝哉

田辺 孝哉の人物紹介

田辺孝哉（たなべこうさい、1936年生まれ）は、日本の著名な物理学者であり、埼玉大学の名誉教授です。彼の研究分野は主に原子核理論と量子多体系理論に集中しており、これに関する数多くの重要な業績を残しています。

来歴

田辺は千葉県で1936年に生まれました。1960年に埼玉大学文理学部理学科を卒業後、1966年には東京大学の大学院理学系研究科に進み、博士後期課程を修了しました。その際、理学博士の学位を取得しました。同年、埼玉大学の教養部に専任講師として着任し、1967年には助教授に昇進しました。1977年4月には教養部の教授となり、その後教養部長を務めるなど、大学内で重要な役割を果たしました。

1970年代には海外においても研究を行い、イェール大学とミュンヘン工科大学での貴重な経験を積みました。1995年に教養部が解体された際、埼玉大学理学部物理学科の教授に配置換えとなりました。そして、2003年には定年退官を迎えましたが、その後も物理学界において異彩を放ち続けています。2015年春、彼は瑞宝中綬章を受章しました。

研究と著作

田辺の著作は多岐にわたり、単著においては『理工学基礎　力学』（培風館、1995年）などがあります。また、共著としては『三省堂 物理小事典 第4版』（三省堂、1994年）や、翻訳としてはG.A.Jones著『原子核の物理』（丸善、1984年）などがあります。さらに、彼の多くの論文は物理学界で広く認知されており、特にエントロピー効果に関する研究報告は重要な評価を受けています。

数多くの論文を執筆しており、主な内容には「エントロピー効果を記述する厳密な有限温度RPA方程式」や「有限温度RPA方程式の拡張と巨大共鳴におけるエントロピー効果」などが含まれています。これらの研究は、物理学の基礎理論の発展に寄与する重要な成果です。また、彼は多くの学会での発表や共同研究を行い、物理学界の発展にも貢献しています。

受賞歴

田辺は、彼の研究や教育に対する貢献が高く評価され、2015年に瑞宝中綬章を授与されました。この受章は、彼の長年にわたる研究活動と教育への尽力を称えるものであり、物理学の分野において彼が果たした役割は非常に重要です。

外部リンク

田辺の研究業績に関する情報はKAKENの科学研究費助成事業データベースで確認できます。

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