由利高原鉄道

由利高原鉄道株式会社

由利高原鉄道株式会社（ゆりこうげんてつどう）は、秋田県で運行される第三セクターの鉄道会社です。この会社は、国鉄再建法に基づき特定地方交通線に指定されて廃止が決まった国鉄矢島線を引き継ぐ目的で設立されました。設立には秋田県や沿線自治体の出資があり、鳥海山ろく線を現在も運営しています。会社の本社は由利本荘市矢島町に位置しています。

歴史

由利高原鉄道の歴史は1984年（昭和59年）10月31日に設立されたことから始まります。そして1985年（昭和60年）10月1日に国鉄の矢島線を転換し、鳥海山ろく線として開業しました。1997年と2008年には運賃改定が行われ、それぞれの時期において全線の運賃が引き上げられました。

特に目を引くイベントがいくつかあり、その一つは2009年（平成21年）3月19日に始まった『釣りキチ三平』のラッピング車両運行です。このイベントは、多くの鉄道ファンや子どもたちに親しまれ、2011年（平成23年）3月18日まで行われました。その後、2011年には『宇宙戦艦ヤマト』をテーマにしたラッピング車両も運行され、これも多くの関心を集めました。

2015年（平成27年）11月には、埼玉県立川越工業高等学校の生徒たちがアプローチした乾電池駆動の車両が鳥海山ろく線の前郷駅と矢島駅間で走り、ギネス世界記録を達成しました。さらに、2016年（平成28年）4月24日からはマイクロバスを利用した貸切バス事業にも参入しましたが、この事業は後に不振となり社長の交代が行われました。

路線と観光

由利高原鉄道の鳥海山ろく線は、羽後本荘駅と矢島駅を結び、全長23.0kmに12の駅があります。この路線は自然豊かな地域を走り、特に子吉川の沿線では秋に鮭が遡上する光景や、晴れた日には美しい鳥海山の眺めが楽しめます。また、終点の矢島駅周辺には猿倉温泉への送迎サービスがあります（事前予約が必要）。

アテンダント

旅客に快適なサービスを提供するため、「まごころ列車」として秋田おばこ姿のアテンダントが乗務しています。アテンダントは旅客への案内や乗降の手助け、乗車証明書の配布、さらには車内販売まで行います。イベント列車の企画や団体列車にも乗務することがあり、地域の観光や文化の振興に寄与しています。

車両

現在、由利高原鉄道には2形式の気動車が存在します。YR-2000形は2001年と2002年に製造され、初めて冷房装置とトイレを装備した車両です。一方、YR-3000形は2012年から2014年にかけて3両が製造され、個性的なカラーデザインが特徴です。

過去にはYR-1000形やYR-1500形も存在し、これらは設立当初から使用されていました。エンジン交換や冷房化が施されながら長年利用された後、最終的には廃車となり、形式消滅を遂げました。

まとめ

由利高原鉄道は地域の交通としてだけでなく、観光資源としても重要な役割を果たしています。運営開始からの歴史の中で、数々のイベントやサービスを通じて、人々に愛される鉄道会社として成長してきました。これからも地域と共に歩み続けることが期待されています。

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