由谷裕哉

由谷裕哉氏は、1955年生まれの日本の宗教民俗学者です。慶應義塾大学経済学部を卒業後、同大学大学院社会学研究科で博士号を取得しました。専門は修験道と聖地巡礼であり、これらのテーマに関する研究で多くの業績を上げています。

研究テーマ

由谷氏の主な研究テーマは、以下の通りです。

修験道: 日本の山岳信仰と密接に関わる修験道の歴史、儀礼、組織、文化について研究しています。
聖地巡礼: 宗教的な聖地を巡る人々の行動や心理、その社会的な意味について研究しています。近年では、アニメや漫画などのサブカルチャーにおける聖地巡礼にも注目しています。

経歴

由谷氏は、1988年に新設された小松短期大学の専任講師として教員としてのキャリアをスタートしました。その後、助教授、准教授を経て、2011年に教授に就任しました。また、日本山岳修験学会の理事、日本宗教学会の評議員、日本宗教民俗学会の委員など、学会活動にも積極的に参加しています。

サブカルチャー聖地巡礼研究

由谷氏は、民俗学者の佐藤喜久一郎氏との共著『サブカルチャー聖地巡礼』を2014年に出版し、サブカルチャーにおける聖地巡礼研究の先駆けとなりました。この研究に取り組むきっかけは、ファンが巡礼ノートに記した書き込みに、修験道に通じる苦行性を見出したことでした。由谷氏は、サブカルチャーの聖地とされる場所の中には、秩父定林寺や大洗磯前神社のような宗教的な場所も含まれている点に着目し、サブカルチャー聖地巡礼が伝統的な巡礼の構造を継承している側面があることを示唆しました。

また、湯涌ぼんぼり祭りのように、伝統的な宗教施設との関わりがそれほど濃密ではない場所についても、巡礼ノートを分析することで、巡礼者の行動を「伝統的な構造を参照しながら現代において生成しつつある事象」と捉えました。

主な著書

『民俗研究の視角』杉山書店、1992年
『白山・石動修験の宗教民俗学的研究』岩田書院、1994年
『白山・立山の宗教文化』岩田書院、2008年
『近世修験の宗教民俗学的研究』岩田書院、2018年
『サブカルチャー聖地巡礼 アニメ聖地と戦国史蹟』佐藤喜久一郎共著、岩田書院、2014年

外部リンク

[小松短期大学]]由谷研究室: [https://web.archive.org/web/20151104022825/http://www2.komatsu-c.ac.jp/~yositani/jindex.htm
* researchmap: https://researchmap.jp/read0040709/

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