甲南女子大学短期大学部

甲南女子大学短期大学部は、兵庫県神戸市東灘区に本部を置いていた日本の私立短期大学です。学校法人甲南女子学園によって運営され、略称は「甲女短」として親しまれました。この短期大学は、1955年に設置が認可されて開学し、2000年度の入学生を最後にその教育活動を終え、2002年に正式に廃止されました。

短期大学の源流は、1920年に安宅弥吉らによって創立された甲南高等女学校に遡ります。高等女学校には専攻科が置かれ、戦後の学制改革を経て1950年には新制専攻科となりました。そして、1951年に学校法人甲南女子学園の設立が認可された後、1955年2月1日に甲南女子短期大学として設置が認可され、同年4月1日に家政科（入学定員40名）の単科体制で開学しました。

開学後、教育内容の拡充が進められました。1956年4月1日には国語科（入学定員40名）が増設され2学科体制となります。国語科は1960年4月1日に国文科と改称されましたが、1963年4月1日をもって募集を停止し、1965年3月31日に廃止されました。これに伴い、1965年4月1日には家政科の入学定員が40名から60名に増員されています。1974年4月1日には新たに英語科（入学定員60名）が増設され、再び2学科体制に戻りました。この増設に合わせて、短期大学の名称も「甲南女子短期大学」から「甲南女子大学短期大学部」へと変更されました。その後、学科定員の増加が複数回行われ、1981年には家政科・英語科ともに定員が100名に、1986年には英語科が200名、家政科（生活科学専攻）が100名に増加しました。1984年4月1日には家政科が生活科学専攻（入学定員50名）と食物栄養専攻（入学定員50名）に専攻分離され、実質的に3専攻を持つ短期大学となりました。時代の変化に対応するため、2000年4月1日をもって学生募集を終了。これに伴い、家政科生活科学専攻の定員が50名、英語科が100名に変更されました。そして、在学生の卒業を待ち、2002年12月19日に正式に廃止されました。

教育においては「個性尊重・自学創造」を学是として掲げ、女子教育に力を注ぎました。最終的に置かれていた学科は家政科（生活科学専攻・食物栄養専攻）と英語科でした。家政科の生活科学専攻では衣食住といった生活全般に関わる知識・技術を、食物栄養専攻では栄養学に基づいた専門知識を学び、栄養士資格の取得も可能でした。英語科では、英語の運用能力を高め、中学校教諭二種免許状（英語）の取得を目指すことができました。家政科生活科学専攻では中学校教諭二種免許状（家庭）の取得も可能でした。

学生生活においては、コーラス、軽音楽、テニス、軟式野球、弓道など、様々なクラブ活動が展開されていました。これらの活動には、系列校である甲南女子大学の学生と合同で行われるものもあり、交流が盛んであった様子がうかがえます。キャンパス施設は甲南女子大学と共有しており、学生寮として「清心寮」や「松影寮」が利用できました。

卒業後の進路としては、多くの学生が系列の甲南女子大学へ編入学する道を選んでいました。同じ学校法人のもと、大学へのスムーズな接続が可能であったことが、短期大学部の特色の一つでした。甲南女子大学短期大学部は、甲南女子大学、甲南女子中学・高等学校と同じ学校法人甲南女子学園に属し、一体的な女子教育を展開していました。

このように、甲南女子大学短期大学部は、約半世紀にわたる歴史の中で、時代の要請に応じた学科編成や教育内容の充実に努め、多くの卒業生を社会に送り出してきましたが、短期大学を取り巻く環境の変化の中で、その役割を終えました。

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