甲奴町

甲奴町の概要

甲奴町（こうぬちょう）は、広島県の東部に位置していた町で、甲奴郡に属していました。町は2004年4月1日、三次市および双三郡の全町村と合併することにより、その歴史に幕を下ろしました。この合併によって甲奴町は新たに設立された三次市の一部となり、町としての存在は消滅しました。

地理

町の地理的特徴としては、上下川が江の川水系に属し、自然豊かな山々が周囲を囲んでいます。特に頭土山（648.3m）、徳楽山（617.7m）、影信山（593.2m）、弘法山（584.4m）などがあり、登山やハイキングのスポットとして知られていました。

歴史の歩み

この町の歴史は1889年4月1日に始まります。この日、市町村制が施行され、甲奴町区域には当時は甲奴郡に含まれていた有田村、梶田村、太郎丸村、知和村、西野村、抜湯村、福田村、本郷村、安田村と、世羅郡の広定村が存在していました。

1895年には、梶田、福田、西野、本郷の4村が合併し新たに甲奴村が誕生しました。さらに、1912年には有田、太郎丸、知和、抜湯、安田の村が合併し、上川村が成立しました。その後、1955年には甲奴村と上川村の一部が合併し、甲奴町が設立されました。

1958年にも世羅郡の広定村を合併し、町としての体制が整いましたが、1961年には宇賀地区の一部を吉舎町に譲渡しました。最終的に、2004年には三次市と全町村が合併して三次市が成立し、甲奴町は幕を閉じました。

名所・旧跡

甲奴町には、自然を活かした名所や観光地が多く存在しました。その一つに「品の滝」があり、地域住民の憩いの場として親しまれていました。また、いこいの森弘法山やジミー・カーターシビックセンターも、訪れる人々に感動を与えていました。これらのスポットは旅行者にとっても魅力的な場所でした。

交通

2004年3月31日現在、甲奴町内には鉄道としてJR福塩線があり、甲奴駅と梶田駅が存在していました。国道は通っていなかったものの、いくつかの主要地方道や一般県道が町内の交通を支えていました。具体的には、広島県道27号吉舎油木線や広島県道51号甲山甲奴上市線などが町内を通っていました。

教育

町内にはいくつかの教育施設も存在しました。小学校としては甲奴町立宇賀小学校（廃校）や甲奴町立甲奴小学校、甲奴町立小童小学校がありました。また、中学校としては甲奴町立甲奴中学校もあり、地域の子どもたちの教育の場となっていました。

その歴史と豊かな自然を持つ甲奴町は、現代には消えてしまったものの、その足跡は今もなお地域の記憶に残っています。

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