甲寅

甲寅（きのえとら）

甲寅は、60ある干支の組み合わせの一つです。順番では51番目にあたり、癸丑（みずうし）の次に、乙卯（きのと）の前に位置します。

甲寅と陰陽五行

陰陽五行説において、十干の『甲』は陽の木、十二支の『寅』も陽の木を表します。そのため、甲寅は同一の性質である「木」が重なる、比和（ひわ）の関係にあります。この比和は、エネルギーが強まり、発展や成長を促す性質を持つと考えられています。

甲寅の年

西暦で甲寅の年を特定するには、西暦年を60で割った余りを調べます。紀元後は余りが54の年、紀元前は余りが7の年が甲寅の年となります。例えば、2022年を60で割ると余りは2、1964年を60で割ると余りは4となります。一方、1854[[年]]は60で割ると余りは54となるので、甲寅の年であったことがわかります。

甲寅の月

甲寅の月は、西暦年の下1桁が3または8の年の1月とされています。ただし、これはあくまで一般的な考え方であり、旧暦の1月や、立春から啓蟄前日までの期間を指す「節月」を甲寅の月とする場合もあります。旧暦や節月を用いる場合は、その年の暦を確認する必要があります。

甲寅の日

甲寅の日は、選日の考え方において八専の2日目に当たります。八専とは、暦注において吉日とされる日のことであり、間日（吉日とされる日の前後にある不吉な日）を除いた2日目が甲寅の日となります。具体的な選日の解釈は、暦注の文献を参照する必要があります。

歴史上の出来事：嘉永7年・安政元年（1854[[年]]）の「寅の大変」

1854[[年]]は甲寅の年であり、日本において大きな災害に見舞われた年として記憶されています。この年は、安政東海地震と安政南海地震が発生し、多くの犠牲者が出ました。これらの地震は、歴史上「寅の大変」と呼ばれ、大きな社会的な影響を与えました。この出来事は、甲寅の年が必ずしも吉兆ばかりではないことを示す、重要な歴史的事例と言えるでしょう。

まとめ

甲寅は、陰陽五行説に基づいた性質や、暦の上での位置づけ、そして歴史的な出来事を通して、多様な側面を持つ干支です。単に暦の上の記号としてだけでなく、自然や社会現象と深く関わってきたことを理解することで、甲寅という干支への理解がより一層深まるでしょう。今後、甲寅の年や月、日に生まれた人、あるいは甲寅の年に重要な出来事があった人は、その意味合いを改めて考えてみるのも良いかもしれません。

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