甲斐靖文

甲斐靖文：日本の音楽シーンに多大な貢献をした作曲家・編曲家

甲斐靖文氏は、1939年大分県別府市に生まれ、日本の音楽界において作曲家、編曲家として、そして明治大学マンドリン倶楽部の指導者として、長年に渡り多大な貢献を果たしてきた人物です。

音楽のキャリア

明治大学法学部卒業後、作曲家古賀政男氏、編曲家佐伯亮氏に師事。1965年には日本コロムビア専属作曲家となり、藤山一郎氏、島倉千代子氏、都はるみ氏など、数多くの著名歌手の楽曲を手掛けました。その作品数は6000曲以上に及び、歌謡曲から器楽曲、CMソング、劇伴音楽まで幅広いジャンルを網羅しています。

日本コロムビア在籍中には、日本相撲協会の練成歌の作曲も担当。さらに、オリジナルの器楽曲アルバムやカラオケ楽曲も制作し、音楽シーンに多様な貢献を果たしました。近年はフリーランスの作曲家・編曲家として活動の幅を広げています。

明治大学マンドリン倶楽部への貢献

甲斐氏は、1973年から明治大学マンドリン倶楽部の音楽監督、常任指揮者を務め、後進の育成にも力を注いできました。同倶楽部のために「津軽組曲」「風の中で」「荒城ファンタジー」など多くのオリジナル楽曲を提供。特に「津軽組曲」の中の「夏」は、マンドリン倶楽部の演奏会で常に高い人気を誇る定番曲となっています。

また、「大地の子」をテーマにした「百里香」(唄：荻原かおり)も高く評価されています。さらに、古賀政男氏の楽曲を現代風にアレンジした「ボレロ酒は涙かため息か」「マンボ無法松の一生」「サンバ柔」なども手がけ、編曲家としての高い技術とセンスを示しています。古賀政男氏、佐藤裕氏らと共演した大正琴のレコードもリリースするなど、幅広い音楽活動を展開しました。

受賞歴と功績

甲斐氏の音楽活動と明治大学への貢献は高く評価されており、2001年と2021年には明治大学より特別功労賞を受賞。2008年には日本大衆音楽文化賞を受賞しています。明治大学120周年記念式典では、大学への感謝として「希望あふれて」という大学讃歌を作曲し寄贈しました。

代表作品

甲斐氏の作品は多岐に渡り、作曲では「津軽組曲」や明治大学讃歌「希望あふれて」、代表的な歌謡曲として「くちなし有情」(大川栄策歌唱)、「人はみな旅人」、「女の子守唄」、「ふるさとの雲」などがあります。編曲作品には、「女のねがい」(ぴんからトリオ)、「女のゆめ」(ぴんからトリオ)、「マンボ 無法松の一生」、「ボレロ 悲しい酒」、「サンバ 柔」など、数多くの楽曲があります。

まとめ

甲斐靖文氏は、作曲家、編曲家として、そして教育者として、日本の音楽界に大きな足跡を残しました。6000曲以上の作品、数々の受賞歴、そして明治大学マンドリン倶楽部への長年の貢献は、その才能と情熱の証です。彼の作品はこれからも多くの人々に愛され、日本の音楽史に刻まれ続けることでしょう。

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