甲相同盟

甲相同盟の概要

甲相同盟（こうそうどうめい）とは、戦国時代における甲斐の武田氏と相模の北条氏によって結ばれた軍事同盟のことです。この同盟は、天文13年（1544年）から永禄11年（1568年）までの間に成立し、さらに元亀2年（1571年）から天正7年（1579年）まで再び結成されました。これにより、両氏の間の戦略的パートナーシップが形成され、関東地方の緊迫した情勢の中で重要な役割を果たしました。

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背景：戦国時代の甲相関係

戦国時代の日本は、各地で戦国大名たちの間で激しい戦闘が繰り広げられた時代です。甲斐地域では、武田氏が国内を統一しつつあり、相模地域では伊勢氏（後の北条氏）が今川氏と同盟を結んで進出していました。平和が訪れない中、武田信虎が国内統一を達成すると、状況は大きく変わりました。彼は扇谷上杉家と同盟し、北条氏に対抗する一方で、今川氏との和睦も実現しました。

この時期、河東の乱などが発生し、甲相間での不安定な関係が続く中、1537年には甲駿同盟が結ばれ、今川と北条との対立が激化しました。

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甲相同盟の成立

甲相同盟は1544年に相模の北条氏康との間で締結されました。信玄と氏康は、両上杉氏を当面の敵として位置づけ、戦略的な連携を図ります。この同盟により、武田氏と北条氏は外交的に結束し、双方で伊那への出兵が成功裏に進みました。この連携は、武田氏と北条氏にとって、共同作戦の起点となり、特に1545年には第2次河東一乱においてその効果が顕著に現れました。

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甲相駿三国同盟の形成

1545年の戦闘を経て、甲相同盟は他の勢力と協力し、甲相駿三国同盟として進化しました。この同盟には、今川義元も加わり、各大名が軍事的に結束することで、北条氏や上杉氏との対抗を強化していきます。信玄はこの同盟を背景に信濃侵攻を進め、関東地方の戦局に大きな変化をもたらしました。

上杉謙信との幾度にわたる戦闘や、氏康の北関東侵攻はこの同盟の重要な側面であり、共通の敵に対して相互に軍を派遣することで有効に機能しました。

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同盟の破綻と再形成

しかし、1568年、武田氏による駿河侵攻が甲相同盟を破綻させます。信玄は従来の北進策から南進策に転じ、今川領を侵攻します。この戦略の変更は、北条氏との関係を悪化させました。駿河侵攻により、武田氏・北条氏間の同盟関係は形骸化し、緊張感が高まる中で信玄は周囲国との交渉を進めながら状況を整えようとしました。

その後、元亀2年（1571年）には、一時的に甲相同盟が復活。武田氏と北条氏は再び結束し、互いに共同の敵、特に上杉謙信に対抗する姿勢を見せました。この統一は再び関東地域の戦局に影響を与えますが、1578年には越後における謙信の死去を巡る争いが、新たな同盟の解消をもたらしました。

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甲相同盟の最終的な崩壊とその後

最終的に、1579年に甲相同盟は再度崩壊します。この後、武田氏は1592年に織田・徳川連合軍に対して甲州征伐が行われ、武田勝頼が自害し、同氏は滅亡に至りました。武田氏歴史の中で、甲相同盟は重要な位置を占めており、戦国時代の政治・軍事情勢に多大な影響を及ぼしました。

その後、甲相地域は、北条氏との関係を巡って新たな緊張感が生まれるものの、最终的には織田信長と徳川家康に秩序をもたらされることになります。

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