申東源

申 東源（シン・ドンウォン）

ジャパンラグビーリーグワンで活躍するプロラグビー選手、申東源（シン・ドンウォン）は、1986年12月12日に韓国で生を受けました。強靭なフィジカルが求められるプロップを主なポジションとし、現在、宗像サニックスブルースの一員としてプレーしています。身長181センチメートル、体重107キログラムという体格は、スクラムを最前線で支えるプロップとして理想的なものであり、その存在感はグラウンド上で際立ちます。チームメイトやファンからは「ドンチャン」の愛称で親しまれています。

彼のラグビーキャリアは13歳から始まりました。その後、ラグビーの本場の一つであるニュージーランドに渡り、名門として知られるクライストチャーチボーイズ高校で技術を磨き、さらにハイスクールオールドボーイズでもプレーを経験するなど、国際的な環境で若き日を過ごしました。これらの海外での経験は、彼のプレースタイルやラグビーに対する理解を深める上で、貴重な財産となりました。

2008年、申東源選手は日本のラグビー界に新たな挑戦の場を求め、当時のトップリーグに所属していた福岡サニックスブルース（現在の宗像サニックスブルース）に加入しました。そして同年9月6日、ジャパンラグビートップリーグの記念すべき開幕節、日本IBMビッグブルーとの試合で、彼は先発出場を果たし、日本国内における公式戦への第一歩を記しました。このデビュー戦は、その後の長い日本でのキャリアの始まりを告げる重要な一戦となりました。

サニックスで数シーズンを過ごし、着実に実績を積んだ後、彼は新たな環境での挑戦を決意します。2013年には、当時日本のトップリーグにおいて常に優勝争いに絡む強豪であったサントリーサンゴリアス（現在の東京サントリーサンゴリアス）へ移籍しました。競争の激しいチームにあって、彼は自身のスキルと経験をさらに高める機会を得ました。

サントリーでの経験を経て、翌2014年には近鉄ライナーズ（現在の花園近鉄ライナーズ）に活躍の場を移しました。異なるチームカラーやプレースタイルを持つチームでのプレーは、選手としての幅を広げる貴重な経験となったことでしょう。

そして2015年、申東源選手はかつて自身の日本でのキャリアをスタートさせた宗像サニックスブルースへの復帰を選択しました。慣れ親しんだチームに戻り、彼は再びチームのフロントローの中心選手として、スクラムやブレイクダウンといった局面で重要な役割を担うことになりました。復帰以来、長年にわたり宗像サニックスブルースの最前線を支え続け、その経験とリーダーシップはチームにとって不可欠なものとなっています。

国際舞台においても、申東源選手はラグビー大韓民国代表に選出された経験を持っています。国の代表としてプレーすることは、選手にとって最大の栄誉の一つであり、世界の強豪を相手に培った経験は、彼をさらに成長させました。代表としての活動は、日本のリーグでのプレーとは異なる緊張感と責任を伴い、彼のキャリアに深みを与えています。

プロップというポジションは、スクラムやモールの核となるだけでなく、オープンプレーでのタックルやボールキャリーも求められる、運動量とパワーの両方が必要な役割です。申東源選手の安定したスクラムワークと献身的なプレーは、宗像サニックスブルースのセットプレーを支え、チームの戦術遂行に貢献しています。長年にわたる日本のトップレベルでの豊富な経験は、若い選手たちにとっての手本ともなっており、彼の存在はチームにとって精神的な支柱にもなっています。

現在も宗像サニックスブルースの一員としてジャパンラグビーリーグワンの舞台で奮闘を続ける申東源選手。その経験に裏打ちされたプレーと、チームを支える存在感は、ファンにとって大きな魅力となっています。これからも、彼は最前線で体を張り、チームの勝利に貢献し続けることでしょう。

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