男はつらいよ 寅次郎子守唄

『男はつらいよ 寅次郎子守唄』

概要

『男はつらいよ 寅次郎子守唄』は、1974年12月28日に公開された日本映画で、寅さんシリーズの第14作目にあたる作品です。同時上映は『ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!』です。この映画は、3代目おいちゃんを演じる下條正巳が初めて登場する作品となります。彼は以後、シリーズの最終作である第48作までその役を演じ続けました。

あらすじ

物語は、不眠症に悩む寅次郎が旅先で見た夢から始まります。夢の中で彼は、日本の昔話のような舞台で、子供を持てない桜夫婦が「うぶすなの神」に祈り、赤ん坊が授かる様子を見ます。そして、彼自身がこの子どもに「寅次郎」と名付ける役割を果たすのです。

一方、博が仕事中に怪我をしてしまい、さくらが慌てて病院に駆けつけると、実は軽傷で済んだことがわかります。見舞いに来た御前様とともにとらやの将来について語っていると、旅から帰った寅次郎が自分の将来について大袈裟に話し始めますが、皆のすぐさま不真面目だとの指摘に不機嫌になり、再び旅に出かけてしまいます。

寅次郎は九州の唐津で商売を始めることになりますが、近くの呼子港にある宿で、赤ん坊を置いて逃げた男と出会います。寅次郎は男を慰め、酒を酌み交わしますが、その夜のうちに男は姿を消します。彼が残したのは赤ん坊だけで、「子どもを頼む」という手紙でした。

赤ん坊を連れて柴又に戻った寅次郎は、とらやの家族から「寅が子どもを持った！」と大騒ぎされます。事情を説明後、赤ん坊の世話をどうするかという問題に直面します。ある日、赤ん坊が高熱を出して病院に行くことになりますが、博は看護婦の京子に寅次郎が惚れないか心配します。さくらと博は寅次郎と京子の接点を無くそうと奮闘するも、京子が赤ん坊の見舞いに訪れると、その努力は失敗に終わります。

やがて、赤ん坊の父親がとらやに現れ、家族たちは彼の無責任さを非難しますが、後に彼と共にいた踊り子の思いに触れて、赤ん坊を返すことを決定します。赤ん坊が去った後、寅次郎たちは寂しさを感じるものの、京子が来て慰めてくれたことで元気を取り戻します。

その後、京子が誇り高い自分の父の話をする際、寅次郎と大川の間で恋愛指導が行われます。大川は京子に好意を寄せるが、寅次郎はそのことに気がつき、酒の勢いに任せてアドバイスをします。京子が自ら大川に会いに行くことになり、物語は思わぬ展開を迎えます。

結局、京子と大川は結ばれ、寅次郎は失恋のショックを受けつつも、明るい気持ちで旅立つことになります。正月には、京子との結婚を大川が報告し、寅次郎からの年賀状も届くという形で物語は締めくくられます。

キャスト

• - 車寅次郎：渥美清
• - さくら：倍賞千恵子
• - 竜造：下條正巳
• - つね：三崎千恵子
• - 博：前田吟
• - 社長：太宰久雄
• - その他、多くのサブキャラクターが物語に色を添えています。

ロケ地

この作品は主に群馬県富岡市、佐賀県唐津市、東京都足立区など多岐にわたる場所で撮影されています。

音楽

オープニングでは特異なバージョンが用いられ、江戸川合唱団の歌が印象的です。また、クラシック音楽も使用されています。

この映画は、寅次郎のキャラクターや仲間たちとの温かい交流を通じた人間ドラマが魅力で、ファンに愛される作品となっています。

もう一度検索