男はつらいよ 翔んでる寅次郎

男はつらいよ 翔んでる寅次郎

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』は、1979年公開のシリーズ第23作。マドンナに桃井かおり、相手役に布施明を迎え、結婚をテーマにした物語が展開されます。

あらすじ

冒頭は寅次郎の夢。戦前の日本を舞台に、寅次郎はマッド・サイエンティストとして登場し、便秘の特効薬開発に挑むも大爆発を起こすという奇想天外な展開です。

現実世界では、タコ社長の工場の職人の結婚式で、寅次郎の結婚話が持ち上がります。満男の作文に触発され、おいちゃんと喧嘩した寅次郎は、いつものように旅に出ます。

北海道で寅次郎は、入江ひとみという女性と出会います。結婚を間近に控えマリッジブルーになっているという彼女と意気投合し、共に旅をすることに。ひょんなことから知り合った男に襲われそうになったひとみを寅次郎が助けたことが縁で、二人は旅を続けることになります。

田園調布のお嬢様であるひとみは、父親の会社で働く邦男との結婚を控えていましたが、結婚に乗り気になれず、気分転換のつもりで旅に出ていました。寅次郎は、意に沿わない結婚を強いられた女性の昔話を語り、ひとみの心を揺さぶります。

結婚式当日、ひとみは式場から逃げ出し、寅次郎を頼ってとらやに駆け込みます。ひとみの母が迎えに来ますが、ひとみは帰りません。ひとみはとらやにしばらく滞在することになります。

その後、邦男がひとみを訪ねてきますが、ひとみはそっけない態度をとってしまいます。寅次郎は邦男を励まし、ひとみの気持ちを伝えます。邦男は会社を辞め、自動車整備会社で働くことを決意。

新たな生活を始めた二人は、お互いを見つめ直し、再び恋愛関係に発展します。そしてついに、ひとみは邦男と結婚することを決意。寅次郎に仲人を頼むのです。

川千家で行われた結婚式は、ささやかではあるものの、心温まるものでした。ひとみは、寅次郎のおかげで相手の幸せを願えるようになったと感謝を述べ、邦男は自作の歌でひとみへの愛を表現します。

結婚式後、ひとみの母がとらやを訪れ、二人が仲良く暮らしていることを報告します。寅次郎は、旅先から「ひとみちゃんは元気か？」と書かれたハガキを送るのでした。

キャスト

車寅次郎：渥美清
諏訪さくら：倍賞千恵子
入江ひとみ：桃井かおり
小柳邦夫：布施明
絹子：木暮実千代

スタッフ

監督・原作：山田洋次
脚本：山田洋次、朝間義隆
音楽：山本直純

評価

本作は、マリッジブルーという現代的なテーマを扱いながら、寅次郎の人情味あふれる言動を通して、結婚や幸せについて考えさせられる作品です。桃井かおりの演技が高く評価され、数々の映画賞を受賞しました。

音楽

結婚式のシーンで使用された「結婚行進曲」や、邦男が歌う「止まり木」など、印象的な音楽も本作の魅力の一つです。

ロケ地

北海道の支笏湖や登別、神奈川県の伊勢原市、東京都の柴又など、美しい風景が物語を彩っています。

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』は、笑いと涙、そしてほのかな恋が織りなす、心温まる人情喜劇です。ぜひご覧ください。

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