町衆

町衆（まちしゅう/ちょうしゅう）とは

町衆とは、室町時代から戦国時代にかけて、主に京都で活躍した裕福な商工業者のことを指します。特に土倉などの金融業者を中心に、経済力を背景に政治的、文化的な影響力を持つようになりました。応仁の乱後の荒廃した京都の復興において、重要な役割を果たした階層として知られています。

町衆の活動

町衆は、自治と団結を重視し、自分たちの手で都市の運営や復興を進めました。評定と呼ばれる会議を開き、都市の意思決定を行いました。また、祇園祭などの祭礼を主催し、都市の文化的な発展に貢献しました。信仰面では、法華経を信仰する者が多く、本能寺をその中心としていました。

歴史的背景

町衆の概念は、平安時代の京童などに遡ることができます。彼らは、都市の自治を担い、独自の文化を育んでいました。室町時代に入ると、商業の発展とともに町衆の力が強まり、都市の政治や経済に大きな影響力を持つようになりました。戦国時代には、織田信長などの戦国大名と協力関係を築き、都市の防衛にも参加しました。

発音について

現代では「まちしゅう」と呼ばれることが多いですが、『節用集』や『日葡辞書』などの同時代の史料によれば、当時は「ちょうしゅう」と発音されていたようです。

近世への継承

町衆の精神は、近世の町人へと受け継がれていきました。江戸時代の町人文化は、町衆が培ってきた自治の精神や文化的な活動を基盤として発展しました。町人たちは、経済活動を通じて力を蓄え、独自の文化を創造しました。

関連項目

法華一揆
寛永文化
* 町小路

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