本能寺

本能寺について

本能寺は、京都市中京区下本能寺前町に位置する法華宗本門流の大本山です。寺院には山号はありませんが、本尊として「南無妙法蓮華経」を奉じています。本能寺は、日本の歴史の中で特に「本能寺の変」の舞台として知られています。現在の構成には、恵昇院、蓮承院、定性院、高俊院、本行院、源妙院、龍雲院の7院の塔頭が含まれています。また、本能寺文化会館や隣接するホテル本能寺などの施設も運営されています。

住職は「貫首」と呼ばれ、現在の貫首は140世の桃井日英氏で、福井県敦賀市の本勝寺から晋山してきました。本能寺自体は、豊臣秀吉の命により本能寺の変が起きた後に移転・再建され、旧所在地には石碑が立てられています。旧址は、現在の京都市中京区蛸薬師下る山田町513にあたります。

歴史

本能寺の創建は応永22年（1415年）で、当初は「本應寺」と名付けられました。その後、日隆によって京都の油小路に設立されましたが、法華経に関する解釈を巡って日霽と対立し、応永25年（1418年）に月明によって剥奪されることになりました。日隆は一時的に他の地域に移りましたが、永享元年（1429年）に戻り、支援を受けて再建に成功しました。以降、本能寺は法華宗の中心として栄え、応仁の乱後には町衆の信仰を集め、「題目の巷」として繁栄を遂げました。しかし、戦国時代の天文5年（1536年）に法華の乱により、焼き討ちに遭い、一時的に他の寺院に避難することとなります。

その後、日承上人が入寺し、本能寺は再興され、さらなる発展を遂げます。天文14年（1545年）には、その後の基盤が築かれ、子院も増えました。日隆の教えを受け継ぐ中で、本能寺は重要な宗教的存在となり、戦国大名との関係も密接化しました。織田信長の宿所としての地位も得ていましたが、1582年に発生した「本能寺の変」により、信長は明智光秀に襲撃され、境内は火の海に包まれました。信長の最期は謎に包まれたままとなり、様々な解釈がなされています。

現在の位置とその後の変遷

1591年に、豊臣秀吉の命によって本能寺は現在の位置に移転され、天正20年（1592年）に新しい伽藍が完成しました。その後も時代の波に翻弄されることとなり、天明8年（1788年）の天明の大火や、元治元年（1864年）の禁門の変などで度重なる被害を受けました。

明治時代に入り、廃仏毀釈の影響を受けたと同時に、境内整備や文化財の保護が進められ、1928年には新しい本堂が完成しました。今日では本堂を含む多くの文化財が数多く保存されており、訪れる観光客に歴史的価値を提供しています。

旧地の発掘調査と文化財

本能寺の旧地には、京都市立本能小学校が存在していましたが、1992年に廃校となり、その後の発掘調査によって信長が宿泊していた当時の遺構が発見されるなど、大きな注目を浴びました。また、様々な文化財も数多く存在し、国宝や重要文化財も有しています。また、境内には信長公御廟所や十三重石塔、合祀墓などがあり、歴史的な記憶が色濃く残っています。

本能寺は、今日でも多くの人々に親しまれつつ、その歴史を語り継ぐ場として重要な役割を果たしています。

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