畑山茂雄

畑山茂雄（はたけやま しげお）は、1977年3月9日に生まれた日本の陸上競技選手です。青森県出身で、特に円盤投種目において顕著な実績を残しました。青森県立黒石高等学校、日本体育大学を経て、社会人としても競技を継続しました。

競技人生と主な成績

日本体育大学を卒業後、ゼンリンに所属して競技活動を行いました。国内における陸上競技の最高峰である日本選手権では、円盤投で数々の栄冠を手にしています。

特に注目されるのは、日本選手権での連覇記録です。2000年に初めてこの大会を制して以来、連続して勝利を重ね、2004年には前人未踏の5連覇を達成し、国内における円盤投のトップ選手としての地位を不動のものとしました。この連勝記録は2006年大会で僅差ながら若手の小林志郎選手に敗れて途絶えましたが、畑山氏は再び闘志を燃やし、2007年の日本選手権では小林選手らを退けて再び優勝を果たしました。

記録更新と国際舞台

畑山選手のキャリアにおいて特筆すべき功績の一つに、60メートルを超える投擲の実現があります。2007年6月3日に行われた第3桑員地区記録会において、60メートル10センチという当時としては日本歴代2位となる素晴らしい記録をマークしました。これは、長らく日本人選手にとっての壁であった60メートルラインを、川崎清貴氏以来、再び超える快挙であり、日本の円盤投界における歴史的な瞬間として語り継がれています。この優れた記録と日本選手権優勝の実績が評価され、同年大阪で開催された世界陸上競技選手権大会に日本代表選手として選出されました。世界のトップアスリートが集結する舞台で、自身の投擲技術を披露しました。

円盤投以外の挑戦とメディアでの紹介

円盤投に専念する一方で、日本体育大学に在学していた時期には、十種競技にも挑戦した経験があります。1996年の群馬リレーカーニバルでは、十種競技で6584点を記録しており、専門種目だけでなく、陸上競技全体に対する高い適応能力と意欲を持っていたことが分かります。

また、2007年の世界陸上大阪大会がテレビ中継された際には、その実力とメディア映えする存在感から、TBSの放送内で「日本の円盤王子」というニックネームで紹介されました。この愛称によって、陸上競技ファンのみならず、より広い層にその名が知られるきっかけとなりました。

長きにわたり日本の円盤投界を牽引し、多くの記録と記憶を残した畑山茂雄選手は、2016年12月に現役から退くことを表明し、競技者としてのキャリアに幕を下ろしました。

畑山茂雄氏は、日本選手権における複数回の優勝と特に5連覇という金字塔、日本人選手として貴重な60メートル台の投擲、そして世界選手権出場といった実績を通じて、日本の円盤投競技のレベル向上と普及に大きく貢献した、傑出したアスリートと言えるでしょう。

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