十種競技

十種競技（ディカスロン）とは

十種競技は、2日間にわたる陸上競技で、競技者が10種目をこなしてその総得点を競います。勝者は「キング・オブ・アスリート」と称えられ、その地位はアスリートの中でも特別なものとされています。本稿では、特に国際陸上競技連盟（ワールドアスレティックス）が定義する十種競技の詳細を紹介します。

競技内容

男子の十種競技は、基本的には以下のように構成されています。1日目には、100m走、走幅跳、砲丸投、走高跳、400mが行われます。2日目には、110mハードル、円盤投、棒高跳、やり投、1500mが実施されます。すべての競技において、選手は自己の限界に挑戦しますが、特に跳躍や投擲の種目ではファウルが続くと点数が得られないため、緊張感が増します。

十種競技は、完走さえすれば点数が加算される走行種目と異なり、跳躍・投てき種目ではファウルが続くと失格となる危険性があります。そのため、選手たちは最初の数競技での成功を収めることが非常に重要です。

また、実際の大会では途中棄権する選手も多く、特に成績が芳しくない場合は早期に戦線離脱するケースが増えます。過去の大会では、特定の種目終了時点で多くの選手が棄権する姿が見られました。

競技の進行

十種競技は、一般的な陸上の予選形式には則っておらず、参加者が多数の場合でも直接決勝進出者として扱われます。その中でも、一時期オリンピックでは「ノックアウト方式」と呼ばれる早期脱落システムを取り入れていましたが、現在は行われていません。代わりに、ハードルや跳躍などの種目で成績が振るわない場合のノックアウトルールが適用されることがあります。

女子の十種競技もありますが、オリンピックでの実施はありません。にもかかわらず、2004年からは日本国内での記録認定が行われています。また、「ワンアワーデカスロン」と称される、60分以内に種目を終了するイベントも存在します。このような独自の試みは、通常の十種競技とは異なり、特に肉体的に厳しい競技となっています。

歴史的背景

十種競技の起源は古代オリンピックに遡り、紀元前708年に行われた五種競技がその始まりとされています。近代オリンピックでは1904年のセントルイス五輪で十種競技が初めて公式に実施され、その後も形を変えながら進化を遂げてきました。1912年のストックホルム五輪では、現在に近い形の十種競技が採用され、多くの選手が競技に参加しました。

日本においては、十種競技の初代王者は大正5年に誕生し、その数年後にはオリンピックにも参加しています。このように十種競技は、歴史を重ねて今なお重要な競技として位置づけられています。

ルールと記録

十種競技のルールは、各種目ごとの細かな規則に基づいており、全10種目を2日間で完了しないと公式記録として認められません。また、選手は次の種目に進む際に30分のインターバルを要し、種目間の適切な休息が求められます。記録は、各種目の結果を基に得点計算法によって算出され、過去に規格変更があった種目の記録も保持されています。

世界記録には多くの偉大な選手が名を連ね、日本でも数多くのトップアスリートが十種競技で輝かしい業績を残しています。このように、多面的な挑戦と高い競技力が求められる十種競技に、今後もさらなる注目が集まることでしょう。

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