畑田重夫

畑田 重夫 (はただ しげお)

畑田重夫は、1923年9月5日に京都府で生まれ、2022年11月22日に逝去した日本の国際政治学者、政治評論家、そして平和運動家です。彼は「平和・民主・革新の日本をめざす全国の会」の代表世話人として、平和や民主主義の推進に尽力しました。また、1980年代から1990年代にかけて東京都知事選に出馬したことでも知られています。

人生の歩み

畑田は東京帝国大学に入学しましたが、在学中の20歳の時に学徒出陣となり、戦争に駆り出されました。この時の彼の学友たちが乗った船が撃沈され、その全員が命を落としました。戦後、彼は東京大学法学部に復学し、卒業後は内務省に勤務しました。その後、1962年まで名古屋大学の助教授として教育の道を歩みました。さらに、労働者教育協会の会長や勤労者通信大学の学長などを歴任し、教育においても大きな足跡を残しました。

1980年代には東京都知事選に無所属で（日本共産党からの推薦を受けて）出馬しますが、残念ながら落選してしまいます。それでも彼は1987年に都政問題研究所を立ち上げ、所長としての役割を果たしました。2021年には、平和や労働運動に関連する講演を全国各地で行い、その活動は多岐に渡りました。彼の思いを綴ったエッセイ「憲法と生きる」は『しんぶん赤旗』紙上で連載され、多くの読者に支持されました。

シベリア抑留についての見解

畑田はシベリア抑留の経験について特に強い意見を持っていました。彼は一部の人々が「強制労働」という言葉を使うことに対して異議を唱えました。彼の意見によれば、実際には働けば食糧が配給され、労働が報われる実態があったとされます。この立場から、彼は抑留された人々の状況を独自に分析し、「働きさえすればちゃんと食べられる」といった感想を持っていた人々もいたと述べました。

主な著作

畑田重夫は多くの著作を残しており、その中には以下のようなものがあります：

• - 『新安保体制論』 (1966年)
• - 『民族と民族問題』 (1967年)
• - 『共産主義のはなし』 (1968年)
• - 『学生運動と統一戦線の思想』 (1969年)
• - 『青年と軍国主義』 (1971年)

彼の著書は、安保問題や歴史、学生運動に関するものであり、日本の政治や社会に対する深い洞察を提供しています。

影響と遺産

畑田重夫は日本の平和運動や民主主義の発展に寄与した偉大な思想家でした。彼が推進してきた平和と民主主義の価値は、現在でも多くの人々に引き継がれています。彼の死去は多くの人々に惜しまれ、彼が果たした役割は今後も語り継がれていくことでしょう。彼のような人物を輩出した日本の政治史には、平和と人権に対する深い思索が必要不可欠です。

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