留園

留園（りゅうえん）

留園は、中国江南の名園として知られ、歴史豊かな蘇州市姑蘇区に位置しています。当園は、明代に建設され、精緻な建築や珍しい石景が数多く見られることで有名です。1961年には中華人民共和国の重要な文化財として認定され、1997年には世界文化遺産に登録されました。また、中国の5A級観光地にも指定され、年間多くの観光客が訪れています。

歴史

留園の歴史は、1593年にさかのぼります。この年、明代の万暦帝の時代、徐泰時が石畳の名工である周時臣を招いて、個人庭園として留園を建設しました。当初は「東園」と名付けられました。しかし、清代の1798年に劉恕が所有権を取得し、荒廃した園を改修して「寒碧荘」と名付け、さらに「劉園」と呼ばれるようになりました。この庭園は、1823年から一般公開され、有名な観光名所として知られるようになりました。

しかし、太平天国の乱の影響により、留園は戦争や管理不十分によって次第に衰退しました。1873年、湖北省の官員である盛康が留園を購入し、三年間にわたって大規模な改修を行い、1876年に新たに「留園」と名付け直しました。

その後、日本との戦争の影響で再び放置されましたが、中華人民共和国成立後には蘇州市政府により修復され、1954年に一般公開が再開されました。現在では、頤和園や避暑山荘とともに中国四大古典園林の一つとされています。

特徴

留園は、面積約3万平方メートル以上で、中央部、東部、西部、北部の4つのエリアに分かれています。それぞれのエリアは異なる特色を持ち、建物群を利用して各景観を隔て、格子窓を通してこれらを結びつける工夫がされています。全長700メートルにわたる曲廊は、園内を東西南北に結び付けながら、景観の美しさを引き立てます。

特に有名なのは、太湖石を使用した石景です。留園では、瑞雲峰という名の奇石があり、その美しさは江南三大名石の一つとされています。この石は北宋の時代に由来し、徐泰時が結婚の際に持参したことで知られています。庭園内には、その他にも多彩な仮山や奇石が配置されています。

園林の配置

留園は、中央の寒碧山荘を中心に、さまざまな建物や景観が調和しています。中央には池があり、小さな曲橋で両岸がつながっています。周囲には、歴史的な建物が点在し、色とりどりの景観が楽しめます。特に、寒碧山荘は広々としており、そこから水面や木々の美しさを楽しめます。

留園の東部には華麗な庭院が立ち並び、五峰仙館や林泉耆碩之館として知られる建物が存在します。これらの建物は華麗でありながらも快適な空間を提供し、訪れる人々を魅了しています。

全体として、留園は自然と人工の調和が取れた、歴史的な美しさを感じさせる一大観光地です。周囲の景観や建物は、訪れる人々に深い印象を与え、心癒される空間を提供しています。

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