留置ブレーキ

鉄道車両における留置ブレーキの役割

留置ブレーキは、鉄道車両が停車中に、意図せず動き出す「転動」を防ぐためのブレーキ装置です。これは、自動車におけるパーキング[[ブレーキ]]と同様の役割を果たします。鉄道車両は、わずかな傾斜や風などの影響で、動き出してしまう可能性があるため、留置ブレーキは安全運行に不可欠な設備です。

主な種類と作動原理

留置ブレーキとして、主に以下の2種類が用いられています。

1. 手ブレーキ: 手動で操作するブレーキで、ハンドルやレバーを操作することで、制輪子を車輪に押し付け、制動力を発生させます。人力による操作が必要ですが、構造が比較的単純で、確実に車両を固定できるのが特徴です。
2. 側ブレーキ: 手ブレーキと同様に、手動で操作するタイプのブレーキです。車両の側面に設置されていることが多く、主に貨車などで用いられます。
3. ばね式駐車ブレーキ: 近年、新型車両を中心に採用が進んでいるのが、ばね式駐車ブレーキです。このブレーキは、ばねの力を利用して制輪子を車輪に押し付け、制動力を得る仕組みです。通常走行時は、圧縮空気をシリンダーに送り込み、ばねの力を打ち消すことでブレーキを解除します。停車時には、この圧縮空気を抜くことで、ばねの力で自動的にブレーキが作動します。特に、先頭車両の前位寄り台車に設置されることが多く、非常時の安全確保に大きく貢献しています。

その他の転動防止策

これらのブレーキ装置の他に、手歯止めと呼ばれる器具を車輪に取り付けることで、転動を防止することもあります。手歯止めは、車輪とレールとの間に設置することで、物理的に車輪の回転をロックし、車両を確実に固定します。

参考資料

• - 電気鉄道ハンドブック編集委員会 編『電気鉄道ハンドブック』コロナ社、2007年。ISBN 978-4-339-00787-9。

関連事項

• - 鉄道車両のブレーキシステム
• - 転動事故

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