畠山景吉

畠山景吉

畠山景吉は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての人物で、武士でありながら医師としても名を残しました。

生涯

出自については詳しい時期は不明ですが、著名な医師である曲直瀬玄朔に医学を学んだ後、毛利輝元、毛利秀就の二代にわたり毛利家に仕えたとされています。その医術の腕は高く評価され、慶長15年（1610年）4月14日には、朝廷からの勅命により法橋に叙せられました。

寛永6年（1629年）1月22日には、徳川秀忠と徳川家光にその才能を認められ、幕府に仕えることとなり、法眼に叙されています。寛永16年（1638年）には、家光自らの診察を行い、薬を調合するなど、幕府からの信頼も厚かったことがうかがえます。寛永18年（1640年）には、徳川家綱の病を治癒した功績により、白銀と武蔵国忍に500石の所領を賜るという厚遇を受けました。

しかし、子孫の中には、元禄16年（1704年）6月27日に不法行為により死罪となった畠山元悦という人物も存在します。

系譜

『寛政重修諸家譜』によれば、畠山景吉は畠山尾張守勝政の末裔とされています。同書では、勝政は畠山尚順と同一人物であると推察されています。勝政の子には、政義、永澄（石垣・神保）、播磨守政度がいました。他の系図では、畠山政尚（政能）の別名が政義とされているものの、景吉の系図に見える「政義」の子には高政がいるため、ここでの「政義」は畠山政国（政尚の父）と同一人物であると考えられます。一方政度は、畠山国儔の家譜に見える畠山時熙と同一人物であるとされていますが、時熙という人物は一次史料では確認できません。尚順の子で播磨守を名乗っているのは晴熙と政国であり、「政義＝政国」であるとすれば「政度＝時熙＝晴熙」となります。政度の子は高度で、和泉国土生に住んだとされています。高度の子は元忠、元忠の子が景吉の父である元長です。

このように、畠山景吉は、戦国時代から江戸時代初期にかけて、武士、医師として活躍し、毛利家、徳川幕府という二つの権力に仕え、その才能を発揮した人物でした。

脚注

注釈

出典

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