畠山鶴吉

畠山鶴吉：激動の時代を駆け抜けた実業家、政治家の生涯

畠山鶴吉（1895年1月18日 - 1973年5月31日）は、大正から昭和にかけての実業家、そして政治家として衆議院議員を務めました。彼の生涯は、激動の時代を反映し、様々な事業の成功と政界での活躍が織り交ざっています。

生い立ちと初期の事業

畠山鶴吉は1895年、山梨県北都留郡梁川村（現在の山梨県大月市梁川町）に生まれました。尋常小学校を卒業後、1906年に上京。1912年に神田工科学校を卒業しています。卒業後の1914年、神田今川橋で酒店を開業し、事業家としての第一歩を踏み出しました。

関東大震災からの再起と事業拡大

1923年、関東大震災によって畠山は全ての財産を失います。しかし、彼はこの苦境を乗り越え、同年、土木建築請負業「畠山組」を設立。復興事業に参画し、事業を大きく拡大しました。1931年には「大森かに料理つるや」を開業し、飲食業界にも進出。1934年には帝国無尽(株)の社長に就任し、経営者としての手腕を発揮しました。同年11月には熱海温泉につるや旅館を開業し、その後、(株)つるやホテルに改組して社長に就任するなど、観光事業にも力を注ぎました。

政界への進出と議員活動

1946年4月、畠山は第22回衆議院議員総選挙に静岡県全県区から日本自由党公認で立候補しましたが、落選。1947年4月の第23回総選挙でも静岡県第2区から立候補しましたが、次点での落選となりました。しかし、1949年1月の第24回総選挙では民主自由党から出馬し、ついに初当選を果たしました。

衆議院議員としては、厚生委員、災害地対策特別委員、観光事業振興方策樹立特別委員会理事、考査特別委員、運輸委員、法務委員、運輸委員会観光小委員長、地方行政委員、電気通信委員、内閣委員などの要職を歴任。自由党政調観光部長、観光議員連盟会長なども務め、観光立国推進に尽力しました。第25回、第26回総選挙では地元の対立候補に席を譲り立候補を見送りましたが、1955年2月の第27回総選挙で自由党公認で出馬し、再び当選。衆議院運輸委員会理事、同予算委員などを務めました。1958年5月の第28回総選挙では自由民主党公認で立候補しましたが、次点で落選。衆議院議員としては通算2期の在任となりました。その後、1962年7月の第6回参議院議員通常選挙（全国区）に立候補しましたが、落選に終わっています。

その他の公職と社会貢献

畠山は政界での活動以外にも、熱海旅館組合長、静岡県旅館連合会長、同顧問、日本温泉協会静岡県業会長、同顧問、全国旅館組合連合会顧問、日本観光連盟会長、国際観光促進連盟会長、日本観光旅館連盟会長、同顧問、(財)畠山鶴恩会理事長など、数多くの公職を歴任しました。これらの活動を通じて、観光業の発展に大きく貢献しました。

畠山鶴吉は、実業家として、政治家として、そして社会貢献家として、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、日本の発展に貢献した人物です。彼の波乱万丈な生涯は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

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