北都留郡

北都留郡

北都留郡（きたつるぐん）は、山梨県に位置する郡であり、小菅村と丹波山村の2つの村で構成されています。郡の面積は154.08km²、人口は1,073人（2024年12月1日推計）で、人口密度は6.96人/km²と、山間部を中心とした自然豊かな地域です。

歴史

郡発足以前

1878年（明治11年）に郡が発足する以前は、現在の北都留郡の範囲は石和代官所によって管轄されていました。当時の地域には多くの村が存在しており、その数は54に及びます。これらの村は、その後、明治初期の町村統合により、18の村へと再編されました。統合前の主な村には、黒野田村、下初狩村、真木村、大月村、猿橋村、上野原村、小菅村、丹波山村などがあります。

町村統合

明治4年から明治8年にかけて、以下の町村統合が行われました。

笹子村 ← 黒野田村、吉ヶ久保村、白野村
初狩村 ← 中初狩村、下初狩村
広里村 ← 真木村、花咲村、大月村、駒橋村
賑岡村 ← 浅利村、奥山村、畑倉村、岩殿村、強瀬村
七保村 ← 下和田村、葛野村、林村、奈良子村、駒宮村、浅川村、瀬戸村
大原村 ← 殿上村、小沢村、朝日小沢村、猿橋村、藤崎村、小篠村
富浜村 ← 宮谷村、鳥沢村
大目村 ← 犬目村、大野村
梁川村 ← 綱ノ上村、新倉村、立野村、塩瀬村
甲東村 ← 野田尻村、桑久保村、芦垣村、和見村
巌村 ← 四日津村、川合村、八ッ沢村、松留村
大鶴村 ← 大倉村、大曽根村、大椚村、鶴川村
島田村 ← 新田村、鶴島村

郡発足後

1878年（明治11年）12月19日、郡区町村編制法の施行により、都留郡から分離する形で北都留郡が発足しました。郡役所は当初、大原村に設置されました。

1889年（明治22年）7月1日には町村制が施行され、以下の18の町村が発足しました。

笹子村、初狩村、広里村、賑岡村、七保村、大原村、富浜村（現在の大月市）
大目村（現在の上野原市）
梁川村（現在の大月市）
甲東村、巌村、大鶴村、島田村、上野原村、西原村、棡原村（現在の上野原市）
小菅村、丹波山村（現存）

その後、1891年（明治24年）には郡制が施行され、1897年（明治30年）には上野原村が町制を施行して上野原町となりました。しかし、1923年（大正12年）には郡会が廃止され、1926年（大正15年）には郡役所も廃止されました。以降、北都留郡は行政区画としての役割を終え、単なる地域区分名称となりました。

昭和に入ると、1933年（昭和8年）に広里村が町制を施行し大月町となり、1935年（昭和10年）には大原村が猿橋町となりました。さらに、1954年（昭和29年）には七保村が七保町となりました。しかし、同年の大合併により、大月町、猿橋町、七保町、梁川村、笹子村、初狩村、賑岡村が合併して大月市となり、郡から離脱しました。また、富浜村も大月市に編入されました。

1955年（昭和30年）には、上野原町、棡原村、西原村、島田村、大鶴村、巌村、甲東村、大目村が合併し、改めて上野原町が発足しました。2005年（平成17年）には、上野原町が南都留郡秋山村と合併して上野原市となり、郡から離脱しました。その結果、現在では小菅村と丹波山村の2村のみが北都留郡に属しています。

現在の行政

現在、北都留郡には郡長は存在せず、郡役所も廃止されています。北都留郡は、地方自治体としての実体は失われていますが、その名称は地域区分として残っています。

変遷表

歴史的な変遷をまとめると以下のようになります。

1878年：北都留郡発足（18村）
1889年：町村制施行（18村）
1897年：上野原村が上野原町となる（1町17村）
1933年：広里村が大月町となる（2町16村）
1935年：大原村が猿橋町となる（3町15村）
1954年：七保村が七保町となる（4町14村）、大月市発足により郡から離脱（1町10村）
1955年：上野原町発足（1町2村）
2005年：上野原市発足により郡から離脱（2村）

脚注

この文章は、主に「角川日本地名大辞典」と「旧高旧領取調帳データベース」に基づいて作成されました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 19 山梨県、角川書店、1984年9月1日。ISBN 4040011902。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

郡内地方
南都留郡

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