番匠谷英一

番匠谷英一

番匠谷英一（ばんしょうや えいいち、1895年8月14日 - 1966年6月17日）は、日本の劇作家、ドイツ文学者であり、立教大学の名誉教授を務めました。

経歴

大阪府泉佐野市に生まれ、旧制岸和田中学校、第三高等学校を経て1920年に京都帝国大学独文科を卒業しました。1924年には懸賞戯曲『黎明』が入選し、劇作家としての活動を開始。同時にドイツ文学の翻訳も行いました。1928年に立教大学の教授に就任し、1961年に定年退職後、名誉教授となりました。

シュニッツラーを中心としたドイツ文学の翻訳の他、アンデルセンなどの作品も翻訳しました。劇作家としては、『源氏物語』や『宇治十帖』を題材にした戯曲を残しています。立教大学では教鞭を執る傍ら、立教大学劇研究会の会長も務めました。

1933年（昭和8年）には、劇団 新劇場が『源氏物語』の上演を計画し、番匠谷が脚本を担当しましたが、上映直前の11月22日に警視庁から風教上の問題があるとして上映禁止の通達を受け、お蔵入りとなりました。

なお、ダマスカスやアレッポなど中東諸都市で活動した建築家・都市計画家の番匠谷尭二は、彼の次男です。

著書

楊貴妃 春陽堂（芸楽道場叢書） 1922
黎明 朝日新聞社 1925
戯曲 源氏物語 河出書房 1935
宇治十帖 戯曲 河出書房 1936
ユーデンブーヘ 三修社 1939.9
小ドイツ文法 郁文堂出版 1950

翻訳

グスターフ・ヴァーザー ストリンドベリー 春陽堂 1925
カールとアンナ（フランク） 青年の病気（ブルックナー） 世界戯曲全集 第19巻（独墺篇 9） 刊行会 1930
アルトハイデルベルク マイアーフェルスター 岩波文庫 1935 のち角川文庫
海の波恋の波 グリルパルツァー 岩波文庫 1937
花 シュニッツラー 岩波文庫 1939
ギリシャの踊子 シュニッツラー 岩波文庫 1940
青春 マックス・ハルベ 岩波文庫 1941 のち角川文庫
タウリス島のイフィゲーニェ ゲーテ全集 第5巻 育生社 1948
ハイネ新詩集 岩波文庫 1950
恋人の気まぐれ・同罪者 ゲーテ 岩波文庫 1950
ハイネ恋愛詩集 羽田書店 1951 のち現代教養文庫
シュニツラー選集 第5巻 輪舞、アナトール、縁の鸚鵡 実業之日本社 1951 のち角川文庫
アンデルセン童話集 1-3 角川文庫 1951-1956
二人の捕われびと・ローテンブルクの幸福 パウル・ハイゼ 郁文堂出版 1952
ユダヤ人のブナの木 ドロステ＝ヒュルスホフ 岩波文庫 1953
枯葉 ローゼ・ベルント ハウプトマン 角川文庫 1957
望郷 クヌルプ ヘルマン・ヘッセ 角川文庫 1957
恋愛三昧 シュニッツラー 世界文学全集 河出書房新社、1958 のち角川文庫
たくらみと恋 シラー 世界文学大系 第18 筑摩書房 1959

外部リンク

番匠谷英一：作家別作品リスト - 青空文庫

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