番頭はんと丁稚どん

番頭はんと丁稚どん

『番頭はんと丁稚どん』は、1959年3月9日から1961年4月まで毎日放送で放送された伝説的なコメディドラマです。この番組は、同年3月1日に開局したばかりの毎日放送にとって非常に重要な作品となりました。

概要

本作は、便秘薬「七ふく」で知られる七ふく製薬の一社提供番組としてスタートしました。脚本家の花登筺がフランク永井のショーで成功を収めたことを背景に、勘で思いついたのが「番頭と丁稚」というキャラクターたちでした。収録は、難波に位置していた東宝系の「南街会館」で行われました。

当時、毎日放送のテレビスタジオが二つしかなかったため、スタジオ不足が番組制作の難しさを増していました。オープニングも特徴的で、幕が閉まった状態から、三人の丁稚が観客に挨拶をし、鶴田浩二の「好きだった」の替え歌を歌いながら番組がスタートします。

放送開始と同時に視聴者の心をつかみ、大阪地区では最高視聴率82%を記録する「お化け番組」となり、その人気は関東地区にも波及し、日本教育テレビ（現在のテレビ朝日）でも放送されました。

物語の舞台

物語は、大阪の船場にある薬問屋「毎宝堂」を舞台に展開します。物語は、三人の丁稚と彼らを見守る番頭の存在、さらには周囲の人々との間で起こる様々な悲喜劇を通して描かれます。

キャストには、一松を演じた茶川一郎や、崑松役の大村崑、小松役の芦屋小雁などが名を連ね、彼らの掛け合いや、丁稚たちがもたらすコミカルな展開が、多くの視聴者に愛されました。

制作の変遷

その後、花登筺が東宝との契約を巡って対立し、1960年4月からは松竹の支援を受けて番組が新たにスタートしました。この新シリーズでは、南街会館が使用できなかったため、梅田の松竹系映画館で収録されました。しかし、番組の質は次第に低下し、最終的には1961年4月18日に終了しました。

その後、1961年4月25日からは「新・番頭はんと丁稚どん」の放送が始まり、レストランを舞台にした新しいストーリー展開がなされましたが、再び人気を盛り返すことはできず、12月に打ち切りとなりました。

映画版

テレビシリーズの成功を受け、松竹は映画版も制作。ドラマのストーリーを基にした映画シリーズが公開され、第一作目は1960年5月20日に公開されました。

この映画では、引き続きキャストが出演し、執筆は花登筺が担当しました。

まとめ

『番頭はんと丁稚どん』は、丁稚たちの献身と番頭の愛情を通して、コミカルで人情味あふれる物語を描いた作品です。放送から数十年が経過した今も、その独特なキャラクターたちや物語は多くの人々の記憶に残り続けています。

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