異域之鬼

異域之鬼

『異域之鬼』（いいきのき）は、由貴香織里による漫画作品。講談社の『ARIA』にて2010年から2013年まで連載され、単行本は全6巻が刊行された。作者である由貴香織里にとっては、長年作品を発表してきた白泉社以外の出版社で初めての連載作品となった。

あらすじ

物語の舞台は、西洋文化の影響を受け始めた帝都東京。大震災から奇跡的に救出された孤児のソラトは、神近男爵家に引き取られることになる。そこで出会ったのは、鬼のような男爵、その跡継ぎである我藍、そして我藍の許嫁である清ら。身分の違いを超え、3人は固い友情を誓い合う。

しかし、神近男爵が永遠の命と権力を手に入れるために実行した「ワルプルギスの夜」を境に、彼らの運命は暗転する。欲望と陰謀が渦巻く中、ソラトは過酷な運命に立ち向かうことになる。

登場人物

主要人物

木城ソラト
本作の主人公。震災から救出後、神近家に引き取られる。救出時には手枷足枷を嵌められ、鬼の面を被せられていた。右手の平には奇妙な痣がある。ノヱラからは「鬼、異域の子ども」と呼ばれる。ワルプルギスの夜以降、神近ソラトを名乗り、我藍と清らの仇を討つため現代に生きる。

神近我藍
神近男爵家の跡継ぎ。ソラトを助け、友情を育む。清らとソラトの関係に苦悩し、レイスと関係を持ったことで乃々羽を授かる。その後死亡し、現代ではエツロウと名乗り、清らを蘇らせるため復讐を目論む。

神近清ら
我藍の許嫁。巫女の家系から神近家の養女となる。大食いでマイペースな性格。ソラトに恋心を抱く。陰の巫女として、ノヱラのために利用される。

レイス
異国の売春婦の姿をしているが、その正体は地獄の公爵メフィストフェレス。神近男爵に召喚された。我藍との間に乃々羽を産む。ソラトと契約するが、反抗を繰り返す。

乃々羽
我藍とレイスの子供。魂を持たない。ソラトによってノヱラの魂の一部が入れられる。感情の理解が難しく、悪魔の器として狙われる。

帝都編からの登場人物

神近久彌
我藍の父親。製薬会社の社長。冷酷な性格で、永遠の命と権力を求める。ワルプルギスの夜を企て、ノヱラを蘇らせようとする。

一条小百合
伯爵家令嬢。神近家を良く思わず、清らに冷たく当たる。我藍に恋心を抱く。

ノヱラ
神近家の指籠にいる少女。ワルプルギスの夜のために隔離されている。ソラトの『印』が見える。その正体は神近男爵の異母妹。すでに故人。

榊
神近家の書生。悪魔研究をしている教団のスパイ。「サメク」と呼ばれる。

現代編からの登場人物

中ノ陽十愛
人気アイドル。エツロウに想いを寄せる。小百合の生まれ変わり。

書誌情報

由貴香織里 『異域之鬼』 講談社〈ARIAコミックス〉 全6巻

2011年3月7日発売、ISBN 978-4-06-380502-4
2011年7月7日発売、ISBN 978-4-06-380520-8
2011年12月7日発売、ISBN 978-4-06-380550-5
2012年6月7日発売、ISBN 978-4-06-380572-7
2012年12月7日発売、ISBN 978-4-06-380603-8
2013年5月7日発売、ISBN 978-4-06-380627-4

外部リンク

ARIA｜異域之鬼｜作品紹介｜講談社コミックプラス - ウェイバックマシン（2011年4月5日アーカイブ分）

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