異種バリオン

異種バリオンとは

異種バリオン（Exotic baryons）とは、素粒子物理学において提唱されている、通常のバリオンとは異なる構成を持つ複合粒子です。通常のバリオンは3つのクォークから構成されますが、異種バリオンは3つのクォークに加えて、他の基本粒子、例えばクォーク、反クォーク、グルーオンなどが結合した状態であると考えられています。

異種バリオンの例

異種バリオンの候補として、以下のような粒子が挙げられます。

ペンタクォーク: 4つのクォークと1つの反クォークから構成されると予想される粒子です。複数の実験で検出が報告されていますが、その存在はまだ確立されていません。
Hダイバリオン: 2つのアップクォーク、2つのダウンクォーク、2つのストレンジクォークから構成されると予想される粒子です。ペンタクォークとは異なり、比較的長い寿命を持つか、あるいは安定である可能性が指摘されています。しかし、こちらも実験的な確認は得られていません。

標準模型を超える物理

異種バリオンの存在は、標準模型を超える物理の存在を示唆する可能性があります。実験結果における異常を説明するために、標準模型を超える異種バリオンの存在が提唱されていますが、実験的な証拠は見つかっていません。

* 超対称性Rバリオン: 3つのクォークとグルイーノ（グルーオンの超対称性パートナー）の束縛状態として考えられています。最も軽いRバリオンはS0と表記され、アップクォーク、ダウンクォーク、ストレンジクォーク、そしてグルイーノから構成されるとされます。S0は長寿命であるか安定であると考えられており、超高エネルギー宇宙線の起源を説明できるかもしれません。

ダークマターの候補？

安定な異種バリオンは、強い相互作用を示すダークマターの候補としても考えられています。ダークマターは宇宙の質量の大部分を占めるものの、その正体は未だに解明されていません。異種バリオンがダークマターの構成要素である可能性も視野に入れ、研究が進められています。

異種バリオンの研究は、素粒子物理学の最前線であり、新たな物理法則の発見につながるかもしれません。今後の実験結果に注目が集まっています。

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