病院へ行こう

映画『病院へ行こう』シリーズ

概要

『病院へ行こう』は、1990年に公開された日本映画で、続編として1992年に『病は気から 病院へ行こう2』が公開された。この二つの映画は、医療現場での人間ドラマを描くコメディであり、特に医師と患者の関わりや病院内の複雑な人間関係をテーマにしている。

『病院へ行こう』のあらすじ

初作となる『病院へ行こう』では、主人公の新谷公平が不倫現場を目撃したことから始まる。彼の妻である春子が、見知らぬ男性・如月十津夫を自宅に招き入れていたのを発見した新谷は、彼と揉み合いになり、そのまま階段から転落。大学病院に搬送されると、そこで新人研修医の吉川みどりと出会う。

新人であるみどりは、救急患者を扱うのが苦手で、やがて新谷は大腿骨骨折の診断を受けて入院生活を送る。そして、新谷の隣のベッドには、先の揉み合いで一緒に転落した如月が入院していた。新谷はみどりに不安を抱き、如月は彼女に恋心を抱くという複雑な関係が展開される。

新谷は妻の不倫や自身の家庭問題から胃潰瘍を患うが、その背景には医師が彼の症状を隠そうとしているのではないかという疑念があった。また、如月の健康状態も不安視され、彼には肺に影が見つかり、それが癌なのか結核なのか判断がつかない。

みどりは、如月のために検査を進めるが、状況は次第に悪化していく。新谷の復讐心が芽生え、如月は病院を抜け出し、二人で夜の街に出かけることに。しかし、真実が明らかになるにつれ、二人の関係は思わぬ形でひっくり返っていく。最終的に新谷は、如月の健康状態が結核であることを知り、みどりとの関係が進展する。

『病は気から 病院へ行こう2』の概要

続編である『病は気から 病院へ行こう2』では、がん患者とそれに関わる医療スタッフとの恋愛模様が描かれる。主人公の美容師安曇祐子は、アルコール症状から病院に担ぎ込まれ、胃潰瘍の診断を受けるが、実際には末期の胃癌であることが判明する。彼女は医師らとの交流やホスピス病棟での体験を通じ、自らの余命を逆手にとった行動を起こす。

一方、医師の片倉一郎と弟の保は、患者と向き合う姿勢の違いから、様々な葛藤を経験する。特に一郎は治療法にこだわるのに対し、保はホスピス医療の重要性を強調し、患者の苦痛を和らげる道を模索する。

作品の評価

両作品とも日本映画界において高い評価を受け、特に医療現場をリアルに描いている点が注目された。初作『病院へ行こう』は1990年度キネマ旬報ベストテンで第19位、読者選出第9位に挙げられ、続編でもそのテーマ性が高く評価された。

まとめ

『病院へ行こう』シリーズは、単なるコメディとは言えない、深い人間ドラマと医療現場でのリアルなやり取りを描いた作品です。多様なキャラクターたちが織りなすストーリーを通じて、観客に様々な感情を与えることでしょう。

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