発車標

発車標（はっしゃひょう）

発車標とは、鉄道の旅客駅に設置される案内表示装置の総称で、列車の発車時刻、行先、種別などの情報を提供します。一般的には電気を使用した表示方法が主流ですが、手書きや手動式のものも残っています。そのため、発車標は鉄道利用者にとって欠かせない重要な情報源となっています。

概要

旅客駅の改札やプラットホームに設置される発車標は、列車の種類や行先、発車時刻などを知らせる役割を果たします。また、一部の発車標では経由駅や運行の遅れ時間、到着予定までの時間も表示することがあります。他の国の地下鉄などでは発車時刻の正確性が日本ほど高くないため、現在位置や到着までの時間を示すものも存在します。

発車標は、かつては駅員が手動で表示を切り替える必要がありましたが、コンピュータ技術の進展に伴い、様々な電子デバイスが普及しました。特に1990年代以降はLEDやLCD、プラズマディスプレイなどの電子表示形式が一般的になり、正確かつ迅速な情報提供が可能となっています。

発車標の種類

発車標にはいくつかの種類があります。以下にその代表的な形式を紹介します。

1. サボ式：発車標の一種で、駅員が手作業で取り替える伝統的な方式です。主にローカル線で見られ、色分けされた発車情報が記載された板が使用されます。

2. 行灯式：行灯を使用した表示方式で、基本的な情報しか表示できないため、非常にシンプルです。この形式は大阪市営地下鉄で長い間使用されていました。

3. 反転フラップ式：人気のある発車標の一つで、表示面がフラップ式になっており、駅名や時刻を切り替えることができます。1980年代までの主流となりましたが、1990年代以降はLED式などに置き換えられました。

4. LED式：発光ダイオードを使用した表示方式で、長寿命で省エネ性に優れ、表示内容の変更が容易です。現在の発車標の中でも主流の形式となっています。

5. LCD式：液晶ディスプレイを利用した方式で、文字だけでなく画像や動画も表示可能です。高い情報量を扱える利点がありますが、消費電力が高いことが欠点です。

その他の情報

発車標には、発車印の表示や情報をより視覚的に表示するためのデジタルサイネージも導入されています。これによって、時刻表や駅の構内図、周辺地図などが利用者に提供されています。特に操作可能なタッチパネル式のサイネージが登場し、駅情報を利用者自身が探すことができるようになっています。

発車標の製造は、様々なメーカーが行っており、主に信号機や広告掲示板などを手掛ける企業が多いです。日本信号や富士通フロンテックなどが有名です。

まとめ

発車標は、鉄道駅において重要な役割を果たす情報提供装置です。技術の進化に伴い、多様な形式が登場し、利用者にとって使いやすい情報提供手段として発展しています。これにより、より多くの人々が安心して鉄道を利用できるようになっています。

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