富士通フロンテックとは？意味をやさしく解説

富士通フロンテック株式会社

富士通フロンテック株式会社は、富士通グループに属する電子機器の開発・製造メーカーです。本社を東京都稲城市矢野口に構え、金融機関向けATM、流通業界向けPOS端末、公営競技場向けトータリゼータシステムなどで業界上位のシェアを誇ります。

概要

2002年7月に現在の社名に変更されるまで、富士通機電株式会社という社名でした。そのルーツは1928年に新潟県燕市で創業した洋食器製造業に遡ります。1944年に富士通信機製造（現・富士通）が全株式を取得し、電話機および電話交換機の部品製造会社として再出発しました。

主力製品は、親会社である富士通を通じて販売されることが多く、海外販売比率も高まっています。2020年9月には富士通による株式公開買付けが成立し、同年12月に上場廃止、富士通の完全子会社となりました。

主な事業と製品

ATM

主力機種であるFACT-Vシリーズは、富士通を通じて販売されています。ATMの監視・運用サービスやシステムも提供しており、海外向けには紙幣ユニットなどのメカコンポーネントを供給しています。

手のひら静脈認証

金融機関のATMで先行導入された手のひら静脈認証装置は、生体認証技術を利用し、高精度な個人識別を可能にします。不正行為に対する強固さが特徴で、PCログインキットとしても製品化されています。

POS

量販店や専門店向けに、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたPOSシステムを提供しています。一般的なPOS端末の他、セルフレジやモバイルPOSも製造しています。

ハンディターミナル

運送業、小売店、製造業など、様々な業種向けにハンディターミナルを納入しています。スキャナやプリンターを搭載したモデルや、タブレット型も提供しています。

RFID

ICタグとリーダライタを製造・販売しており、アパレル店舗などでの導入が進んでいます。

トータリゼータシステム

親会社である富士通の配下で、トータリゼータシステムの一部を納入しています。多くの公営競技場で採用されており、高い信頼性と性能が評価されています。投票券の発券システムは、文字の白抜き・黒抜き、マークカード両面読取、多彩な購入方法への対応など、様々な特徴を備えています。

過去には、システム障害により競輪場のレースが中止になるというトラブルも発生しました。

主な採用箇所としては、中央競馬 (JRA) の一部事業所、地方競馬、競輪場、競艇場などがあります。近年では、競合他社との競争も激化しており、シェア争いが繰り広げられています。

納入機器の保守管理は、JRAについてはJRAシステムサービス、その他の公営競技場については子会社のトータリゼータエンジニアリングが担当しています。

大型映像情報表示システム

スーパーフロンテックビジョン（Super Frontech Vision）という製品名で、大型映像装置を製造しています。公営競技施設などへの納入実績があり、スコアボードや医療機関・空港向けの表示システムも手掛けています。川崎[[競馬場]]には、かつて世界最大の大型映像装置であった「キングビジョン」や「川崎ドリームビジョン」が設置されています。

本社工場の屋上にも大型映像装置が設置されており、京王よみうりランド駅から見ることができます。

富士通フロンテック