白い滑走路

白い滑走路

『白い滑走路』（しろいかっそうろ）は、1974年4月5日から9月27日まで、TBS系列にて放送された全26話のテレビドラマです。主演は田宮二郎で、彼の「白いシリーズ」の第2作として知られています。

概要

本作では、田宮が航空機の操縦士を演じ、実際の航空会社である日本航空から多大な支援を受けた点が大きな特徴です。オープニングシーンには、アメリカのモーゼスレイク・グラントカウンティ空港で行われたボーイング747のタッチアンドゴー訓練の模様が収録されています。また、本編中ではリアルな航空機やシミュレーターを用いた映像が多く用いられ、特にボーイング747の緊急降下シーンは実機を使用した貴重なものとなっています。

日本航空の協力により、客室乗務員だけでなく操縦教官や航空機関士の役を日本航空の社員が演じました。さらに、ドラマ内ではすべてのやり取りに航空用語が使用されており、リアリティが追求されています。オープニングでは「Flap two zero」や「Gear down」といった実際のコールが使用され、訓練中の各種チェックリストや航空管制官との対話も、リアルな運航手順に基づいて描かれています。

このドラマに感銘を受けて航空会社の操縦士を目指すようになった視聴者もいるというエピソードも、作品の影響力を物語っています。また、海外ロケが大規模に行われ、その映像が豊富に展開されることで、作品にさらに魅力を加えています。

あらすじ

物語は、ボーイング747の機種移行訓練を受ける杉山重夫（田宮二郎）が主人公です。アメリカのモーゼスレイクでの訓練を無事に終え、帰国した杉山は、妻の綾子が失踪していることに気付きます。仕事の合間を見て妻を捜す杉山の元には、同僚の折井薫（松坂慶子）が好意を寄せ、彼に寄り添う姿が描かれます。綾子が行方不明で困惑する杉山と、夫を山で失った上条里子（山本陽子）が互いに接近し、苦難を共に乗り越えながら、次第に二人は結婚に至ります。

キャラクター

• - 杉山重夫（田宮二郎）

- 本作の主人公であり、元DC-8の機長からボーイング747の機長に昇進する。完璧主義者で、若手乗務員からは煙たがられているが、安全に対する信念は揺るがない。

• - 上条里子（山本陽子）

- 杉山の同僚の妻であり、杉山の上司の娘。夫を失った後、杉山に惹かれていく。

• - 折井薫（松坂慶子）

- 日本航空のキャビンアテンダントで、杉山に好意を抱き、何かと世話を焼く。

• - 杉山綾子（浅丘ルリ子）

- 杉山の妻であり、ピアニスト。夫の出張中に実家を転々とし、夫の愛情に不安を抱きます。

• - 尾形雄吉（高松英郎）

- 杉山の先輩機長。娘と杉山の結婚を期待している。

• - 折井文平（松村達雄）

- 薫の父で、割烹の主人。最終回では飛行機に乗って杉山と再会し、航空への見方が変わります。

このように『白い滑走路』は、航空業界のリアリティに基づいた描写と、登場人物の人間関係を通して展開される感動的なストーリーが特徴で、現在でも多くの人に愛され続けています。

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