高松英郎

高松 英郎：日本の名俳優

高松英郎（たかまつ ひでお）は、1929年に高知県で生まれ、本名は武市哲郎（たけいち てつお）です。彼は日本の映画やテレビドラマで活躍した俳優で、特に悪役や頑固なオヤジ役でその存在感を発揮しました。2007年に77歳で亡くなるまで、彼は長きにわたって日本のエンターテインメント界で重要な役割を果たしました。

幼少期と学歴

高松は、教育者である父のもとに生まれましたが、幼少期に家族は東京都杉並区に転居しました。1947年に早稲田中学を卒業すると、彼は演技の道を志して鎌倉アカデミアの演劇科に進学します。在学中には、舞踏家檜健次の指導の下、創作舞踊を学びました。この学びが後の演技スタイルに影響を与えたと思われます。

映画デビューと初期の活躍

1951年には大映東京撮影所に入社し、俳優としてのキャリアをスタートしました。1953年に『怒れ三平』でスクリーンデビューを果たすと、その後は主に恋愛映画に出演しましたが、次第に悪役に転向し、その持ち味を引き出した役柄が多くなりました。特に『巨人と玩具』での猛烈なサラリーマン役では大いに注目を浴びました。

テレビ時代の活躍

1963年には大映を退社し、その後はテレビドラマでの活躍が目立つようになります。代表作には『柔道一直線』や『雲のじゅうたん』があり、後者ではテレビガイド最優秀演技者賞を受賞しました。また、彼の風貌から『巨人の星』の星一徹に似ていることが多く、CMやバラエティ番組への出演もありました。

人柄と私生活

高松はその見た目とは裏腹に、非常に温和で優しく、後輩への指導にも熱心でした。常に身だしなみが整っており、背広にネクタイ姿がトレードマークでした。また、1962年にはフジテレビの『テレビ結婚式』の中で慈善結婚式を挙げ、得た資金を恵まれない子供たちのために寄付するなど、社会貢献にも力を注ぎました。

彼は元々糖尿病を患っており、晩年には健康面での苦労もありましたが、その姿勢は変わらず、演技に対する情熱を持ち続けました。役者としてのプロ意識は非常に高く、ドラマのロケの合間にも血糖値を測るなど、心身の管理を怠りませんでした。

最期

2007年2月26日、高松は神奈川県の自宅で心筋梗塞により静かに息を引き取りました。彼にとって最後の時間は、役者としてのプライドを持ちながら、充実した日々を送っていた終わりでした。その死は多くのファンに衝撃を与えましたが、彼の演技や人柄は今なお多くの人々の心に生き続けています。彼の映画やドラマを通じて、多くの世代に愛されたことは、高松英郎の名を不朽のものとしています。

もう一度検索