白井克彦

白井 克彦 (しらい かつひこ)

白井克彦は1939年9月24日に中国の大連に生まれました。日本の著名な工学者として知られ、早稲田大学名誉教授であり、専門は知能情報学です。工学博士号を早稲田大学から取得し、その後、さまざまな学術的および業界での重要な役割を果たしてきました。

大学でのキャリアのスタートは1963年、早稲田大学第一理工学部電気工学科を卒業し、1965年には同大学院の修士課程を修了しました。博士課程では単位取得を満期退学し、早稲田大学理工学部の専任講師として履歴を積むことになります。1973年には工学博士の学位を得て、以降は教授として音声処理や人工知能の研究を行います。

2002年から2010年までは第15代早稲田大学総長として在任し、大学改革において多くの新設学部と学科の設立を推進しました。特に、スポーツ科学部や人間科学部、国際教養学部など、幅広い分野の学びを提供する機会を創出しました。これにより、早稲田大学はより多様性と国際性を重視した教育体制を整えることができました。

音声認識の分野では、彼の研究室で開発されたWABOT-2やWASUBOTの音声処理システムが特に注目されています。これらの技術は、日本国内外での音声認識の進展に寄与し、科学技術の発展を促しました。

彼は国内外の学術界でも重視される存在であり、2001年には電子情報通信学会からフェローに認定され、2005年にはNHK放送文化賞を受賞しました。また、瑞宝大綬章の受章や、イタリア共和国からの功労勲章の授与も受けるなど、国際的にもその功績が評価されています。

大学改革においては、国際化を目指し、多数の留学生を受け入れる計画を立案し、中国の北京大学との連携を深めるなど、アジアにおける教育研究の拠点を築く努力を惜しみませんでした。特に、2007年には留学生を8000人受け入れる目標を打ち立て、世界初の研究型孔子学院の設立にも寄与しました。

さらに、彼は教育の現場だけでなく、国や地方の政策にも関与し、中学校や高等学校の系属化、専門学校の新設促進など、幅広い影響力を有しています。実子である白井聡は京都精華大学の准教授として、学問の道を歩んでいます。

白井克彦氏は、数多くの著書を執筆し、教育と技術の融合における思索を深めています。特に、音声言語処理や大学のビジョンに関する著作は、今後の教育研究の方向性を示しているといえるでしょう。彼の研究と教育への情熱は、今後も多くの学びを後続に伝えていくことでしょう。

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