白仁裕介

白仁 裕介（しらに ゆうすけ）

1977年8月15日生まれ、東京都新宿区出身の日本の俳優。現在の所属事務所は株式会社アールジュー。多彩な役柄を演じ分け、映像作品を中心に活動する傍ら、舞台でも精力的に活躍している。

俳優としての歩み

学生時代から演劇に親しみ、小劇場での活動を経験する。大学卒業後は一度映像制作会社に就職するが、俳優への情熱を捨てきれず、2004年に会社を辞め、本格的に俳優活動を再開した。以降、活動の場を広げ、映画やテレビドラマ、テレビCMなど、主に映像作品に出演するようになる。2007年からは、赤塚真人が主宰する劇団裏長屋マンションズに参加し、その中心メンバーの一人として舞台公演にも数多く出演。映像と舞台の両方でキャリアを積み重ねている。日本映画俳優協会の会員でもある。2017年より、現在の所属事務所であるアールジューに籍を置いている。

人物像と多彩な顔

白仁裕介は、俳優としての活動以外にも、その個性的な人物像で知られる。特に熱心な鉄道愛好家であり、幼い頃から鉄道に強い関心を持ち、鉄道写真の撮影やNゲージ鉄道模型のコレクションなど、鉄道に関する幅広い知識と造詣を持っている。この鉄道への深い愛情は、時に役柄にも反映されており、例えば2006年にスクリーンデビューを飾った映画『ナイスの森〜The First Contact〜』では、学生服に鉄道員の制帽を合わせたユニークなキャラクター「電車」を演じたことは特筆される。趣味は多岐にわたり、旅、鉄道、写真、軟式野球、基礎スキーなどを楽しむ。また、大型二種（バス）免許を所持しているという意外な一面も持つ。

家族背景

日本の近代化に大きな足跡を残した著名な人物を家族に持つことも、白仁裕介の一面を語る上で触れられる。曾祖父は、内務官僚として官選栃木県知事などを務め、実業家としては日本郵船の社長を歴任するなど、政財界で活躍した白仁武（しらに たけし）である。

主な出演作品

白仁裕介の俳優としての活動は、その出演歴の幅広さに表れている。テレビドラマでは、NHKの「タイムスクープハンター」で主演を務めた経験があり、そのほかにも「相棒」シリーズ、「緊急取調室」、「ケイジとケンジ」など、多くの人気ドラマシリーズに出演している。時代劇から現代劇、コメディまでジャンルを問わず、刑事、医師、会社員、店主、友人、司会者など、様々な職業や立場の人物を自然体で演じている。また、NHK Eテレの教育番組「デザインあ」や、再現VTRなどにも出演し、多様なメディアでの表現に取り組んでいる。

映画においても、『ナイスの森〜The First Contact〜』でのデビュー以降、『私は貝になりたい』、『山のあなた〜徳市の恋〜』といった話題作や、『弁護士・布施辰治』のような社会派作品まで、幅広いジャンルの作品に参加。アニメ映画『REDLINE』では声優としても参加するなど、活動の幅は広い。近年では『人間失格 太宰治と3人の女たち』、『Fukushima 50』などの大規模公開作品にも出演している。

テレビCMやショートムービー、ウェブドラマへの出演も多数あり、特に鉄道ファンとしての個性を活かした役柄や、ユーモラスなキャラクター、あるいは説得力のあるビジネスマンや専門家といった役まで、その表現力は多岐にわたる。舞台では、劇団裏長屋マンションズの公演を中心に、落語芝居を含むバラエティ豊かな演目に出演し、生身の芝居でも観客を魅了している。

白仁裕介は、確かな演技力と個性的な存在感を併せ持つ俳優として、今後さらなる活躍が期待される。

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