白地城

白地城の概要

白地城（はくちじょう）は、現在の徳島県三好市池田町白地に位置する日本の歴史的な城であり、三好市によって指定された史跡に指定されています。この城は、土佐国の戦国大名である長宗我部元親が四国の統一を目指す拠点として利用されたことで知られています。白地城は四国の中央部に位置し、山間部に築かれています。西側の境目峠を越えれば伊予国、北の猪ノ鼻峠を越えれば讃岐国、東には吉野川を下ることで徳島平野が広がっており、南へ進めば土佐国にたどり着くという、まさに四国の要所ともいえる立地です。

歴史

白地城の歴史は、建武2年（1335年）に始まります。この年、田井荘の荘官である近藤京帝がこの地に城を築き、当地の名に因んで大西氏に改名しました。以来、大西氏は約250年間にわたりその地域を統治しました。南北朝時代から戦国時代にかけて、白地城を中心に広がる地域は大西氏によって支配され、阿波の守護大名であった細川氏と、さらにその細川氏から実権を奪った三好氏に服属しました。

1577年、四国を統一しようとした長宗我部元親が、白地城の持つ地理的な重要性に着目し、城を攻略しました。当時の城主であった大西覚養は、讃岐国の麻城に逃げました。史料に記には、元親が「先づはこの大西さへ手に入り候へば阿讃伊予三ヶ国の辻にて何方へ取り出づべくも自由なりと満足し給ひけり」と語ったとされています。1585年には、豊臣秀吉が四国に攻め込む際、この城は長宗我部氏の防衛拠点として活用されましたが、長宗我部氏が敗北し、土佐に退くと同時に白地城も廃城となりました。その後、地域の拠点としての役割は近くにある大西城に移りました。

遺構

昭和後期においては、白地城の遺構として多くの曲輪や堀、武者走りなどが残っていました。しかし、かんぽの宿（現･あわの抄）の建設に伴い、多くの遺構が破壊されてしまいました。現在、周辺にはわずかに土塁や切岸が残されており、歴史を振り返る貴重な証跡となっています。また、あわの抄の敷地の南に隣接する白地児童公園の一角には、白地城址を示す石碑と大西神社が設置されています。

関連項目

• - 日本の城一覧
• - 長宗我部元親
• - 大西覚養
• - 雲辺寺
• - 徳島県の城

白地城の歴史と遺構を通じて、その地理的な重要性や歴史的背景を理解することができます。今日、現存する遺構は少ないものの、かつてこの地に存在した城の役割や意義を深く考察する機会を提供してくれるでしょう。

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