白山宮 (日進市)

白山宮：歴史と現代が交差する日進の神社

愛知県日進市本郷町に鎮座する白山宮は、郷社として古くから地域の人々に親しまれてきた神社です。正確な創建時期は不明ですが、境内や周辺から出土する古墳の存在から、その歴史は古墳時代、ひょっとするとそれ以前まで遡ると考えられています。現存する最古の記録は、永正元年（1504年）の書状などにみられます。

江戸時代以前は「白山社」「白山神社」「白山宮」「白山権現」「白山権現社」など、様々な名称で呼ばれていましたが、明治時代に「白山社」と定められ、その後昭和18年に「白山神社」、昭和41年には現在の「白山宮」と改称されました。明治5年には郷社に列格、昭和42年からの大造営を経て、昭和44年には旧県社に相当する神社等級5級に指定されています。

現在の社殿は、平成の大造営によって1996年に建て替えられました。日進市にある神社の中で、唯一神職が常駐しているのも特徴の一つです。

白山宮は、隣接する曹洞宗龍谷寺と境内の通り抜けが可能で、地域住民の生活に密着した存在です。かつては境内の境界が本郷村と藤島村の境界でもあったため、境界争いが発生した記録も残されています（天明4年、文化9年、文政4年）。

祭神と末社

白山宮の主祭神は菊理姫命、伊弉冉尊、大巳貴命です。配祀神には大山祗神、木花開耶姫命、稲田姫命が祀られています。

境内には多くの末社が点在しており、それぞれが個性的な歴史と信仰を集めています。

猿投社: 豊田市猿投町にあった猿投神社から勧請された神社。天保12年の勧請です。白山宮本殿の東隣に位置し、拝殿は白山宮の拝殿と一体化しています。祭神は大碓命。
香良洲社: 香良洲神社から勧請された神社。祭神は稚日女命。
稲荷社: 祭神は保倉神。
三神社: 祭神は大山津見命。
秋葉神社: 祭神は迦具土神。
恵比須社: 祭神は事代主命・伊弉冉命。
神明社: 祭神は天照皇大神。
秋葉社: 祭神は迦具土神。藤島町から移された神社です。
御嶽社: 祭神は大巳貴命・少彦名命。
足王社: 祭神は足名椎神。本殿の西隣に位置し、旅人の安全を祈願する神社として知られています。「痛みとり石」が祀られており、なでると痛みが取れると伝えられています。サッカー日本代表公式エンブレム入りのお守りなども授与されています。2016年には新社殿が造営され、2020年度グッドデザイン賞を受賞しました。
縁むすび社: 名古屋市名東区の高帝龍王龍神社。2021年から白山宮の末社となりました。

史跡

白山宮境内には、白山第1号墳と呼ばれる古墳時代後期（6世紀頃）の円墳があります。直径約14mの円墳からは、金環や鉄製の直刀、装飾須恵器などが出土しており、1981年に町指定文化財に指定されました。

交通アクセス

名鉄バス・日進市くるりんばす「白山」停留所から徒歩約2分
* 名鉄バス「岩崎御岳口」停留所から徒歩約10分

白山宮は、歴史と現代が融合した、魅力的な神社です。静かな境内には、古の息吹と現代の信仰が共存し、訪れる人々に安らぎと希望を与えてくれます。

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