白岩城

白岩城の概要

白岩城（しらいわじょう）は、山形県寒河江市白岩に位置する歴史的な城で、出羽国村山郡寒河江荘の一部でした。この城は、寒河江川上流に位置し、庄内地方と接する重要な地理的なポイントにあったため、戦略的な役割を果たしました。

歴史的背景

白岩地区はかつて、大江広元の子孫が支配していて、南北朝時代には大江元政の息子である時茂が城を築いたと言われています。彼は冷静に状況を見極め、兄弟や子供たちにこの寒河江荘を分割し、各々城や防衛施設を構築させました。特に、嫡男である溝延茂信の息子政広が白岩に住んでいたことが、城の発展に寄与しました。

白岩氏は、4代目の白岩満教が溝延氏から迎えられた後、両者の関係を強化し、領主人としての自立性を高めていきました。しかし、戦国時代には寒河江氏が滅亡し、その後最上氏に仕えることとなります。慶長出羽合戦では、下秀久の攻撃によって白岩城は陥落しました。

元和8年（1622年）、最上氏が改易されると、白岩には酒井忠重が入城しましたが、彼の苛政により、寛永10年（1633年）には農民による一揆が発生しました（白岩一揆）。この騒動が原因となり、酒井忠重は寛永15年（1638年）に改易され、以後、白岩領は幕府領となり、代官がその統治を行いました。

構造と防御

白岩城は、葉山山麓の丘陵地帯に位置し、標高は150ｍから220ｍに及びます。城域は東西約600ｍ、南北約450ｍの方形で、5つの楯が設けられていました。天然の要害である実沢川は、北側と東側を守っており、南側には3つの虎口を設けて防御が強化されていました。

• - 稲荷山楯：北・東に主要な防御施設を配置した城の中心であり、標高199mの独立丘陵に位置します。
• - 上楯山：稲荷山楯の南西にあり、標高210mの丘陵。物見の役割も果たしています。
• - 八幡楯：稲荷山楯の南方、標高165mに位置し、重要な交通路を押さえます。
• - 留場楯：稲荷山楯の北方にあり、主郭は方形で一辺が約50mです。

歴代城主と支城

白岩城は、白岩氏から始まり、最上氏や酒井氏へと受け継がれていきました。

• - 初代：白岩政広
• - 2代：明代
• - 3代：広茂
• - 4代：満教
• - 5代：満広
• - 6代：宗広
• - 7代：広隆
• - 8代：広教

また、支城として陣ケ峰楯が構築されており、実沢川と寒河江川が合流する地点に位置しています。このように、白岩城は周辺地域において重要な防衛拠点として機能しました。

現在の状況

白岩城の跡地は、山形県寒河江市白岩2007付近に残されています。当時の歴史を感じることのできる場所として、訪れる人々に興味を持たれています。また、アクセスも良好で、JR羽前高松駅から車で約10分ほどで到着可能です。

このように、白岩城は日本の歴史において重要な役割を果たした城の一つであり、その存在が地域の文化と歴史に色濃く刻まれています。

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