白川渥

白川渥

白川渥（しらかわ あつし、1907年7月27日 - 1986年2月9日）は、昭和期に活躍した日本の小説家です。本名を正美といい、愛媛県新居浜市で生まれました。彼は明石短期大学の名誉教授でもありました。

人物・来歴

白川渥は東京高等師範学校を卒業後、作家の横光利一に師事しました。横光が主宰した同人誌『日暦』や『文芸首都』などに参加し、作家としての道を歩み始めます。1940年には、彼の作品「崖」が芥川賞の候補作となりました。

戦後は、大衆向けの小説、いわゆる中間小説を多く執筆しました。1954年には「野猿の言葉」で直木賞候補となっています。作家活動の傍ら、兵庫師範学校の教師や神戸市教育委員長、明石短期大学の教授なども歴任しました。神戸に在住し、執筆活動を行っていました。

白川渥の作品は、その文学性もさることながら、大衆に受け入れやすいストーリー展開が特徴であり、映画化された作品も多く存在します。

主な著書

村梅記 (1942年)
天人 (1942年)
山々落暉 (1944年)
鳥 (1946年)
KOBEとその附近 (1948年)
落雪 (1948年)
赤い湖 (1948年)
輝く優勝旗 (1948年)
女の火 (1949年)
青草に坐す (1953年)
新月の言葉 (1954年)
青春の言葉 (1954年)
女人の館 (1954年)
新樹の丘 (1954年)
雪の炎 (1955年)
ここは静かなり (1956年)
川向うの白い道 (1956年)
山青く雲白く (1956年)
あさ潮ゆう潮 (1956年)
女の三章 (1958年)
黒姫 (1959年)
その愛とその美 (1959年)
青春蛮歌 (1959年)
風来先生 (1959年)
まことはうその皮 (1959年)
花の構造 朝霧の章 (1960年)
花の構造 夜霧の章 (1960年)
十代の海と空 (1961年)
白い村の女 (1961年)
沈澱先生青い夢をみる (1962年)
暁の出発 (1962年)
人妻学校 (1963年)
風来日記 (1964年)
適齢期 (1968年)
崖 自選初期作品集 (1977年)

翻訳・再話

マロリー『アーサー王物語』 (1952年)
リットン『ポンペイ最後の日』 (1955年)
バーネット『小公女』 (1962年)

映画化作品

風薫る庭 (1942年)
青春ロマンスシート 青草に坐す (1954年)
女人の舘 (1954年)
雪の炎 (1955年)
あさ潮ゆう潮 (1956年)
ここは静かなり (1956年)
川向うの白い道 (1959年)
青春蛮歌 (1959年)
風来先生 (1961年)
青春の言葉より　風にきけ雲にきけ (1966年)


白川渥は、多様なジャンルの作品を手掛け、昭和の文壇において独自の足跡を残しました。彼の作品は、今もなお多くの読者に愛され続けています。

もう一度検索